低炭素投資促進機構
低炭素投資促進機構とは
低炭素投資促進機構は、2010年7月に設立された一般社団法人です。2010年5月に成立した「エネルギー環境適合製品の開発及び製造を行う事業の促進に関する法律」は、中小企業等がリースによって低炭素型設備を導入する際の信用力を補完する、新たなリース保険の創設を定めました。
低炭素投資促進機構は、上記のリース保険事業を運営するため、会員企業によって設立されました。2017年9月現在、社員として登録している企業は損害保険ジャパン日本興亜株式会社、三井住友海上火災保険株式会社、東京海上日動火災保険株式会社、株式会社商工組合中央金庫の4社で、一般社団法人を中心に各業界団体がエネルギー環境適合製品の登録に協力しています。
低炭素設備リース保険事業のほかにも、低炭素投資促進機構の趣旨に沿って政府から複数かつ多岐にわたる業務を委託し、日本におけるエネルギー・環境分野の市場開拓に寄与しています。
具体的な業務内容
低炭素設備信用リース保険
低炭素設備信用リース保険は、「エネルギー環境適合製品の開発及び製造を行う事業の促進に関する法律」に基づき、経済産業大臣から需要開拓支援法人として指定を受けた低炭素投資促進機構が、リース事業者を保険契約者として提供する保険です。
本保険では、リース使用者の中小企業等が倒産するなどの保険事故によってリース事業者がリース料の支払いを受けられなくなった場合、損害額の50%が保険金として支払われます。本保険はリスクが不透明で長期間に及ぶといった事業の特殊性により民間損害保険会社での引き受けが困難であるため、公的な性格を持つ制度として、収支相償を基本方針に運営されています。中小企業等のエネルギー環境適合製品の導入に寄与してきました。
本保険の対象となるリース使用者は、資本金の額または出資金の総額が三億円以下の会社法上の会社、または個人事業主です。対象となる低炭素設備は、「エネルギー環境適合製品の開発及び製造を行う事業の促進に関する法律」の第二条第三項各号で定められたエネルギー環境適合製品のうち、低炭素設備促進機構が指定しホームページに掲載されたものとなります。
再生可能エネルギー固定価格買取制度における費用負担調整
2011年8月に成立した「電気事業者による再生可能エネルギー電気の調達に関する特別措置法」に基づき、「再生可能エネルギー固定価格買取制度」が2012年7月より始まりました。「再生可能エネルギー固定価格買取制度」においては、再エネ賦課金の単価が全国一律になるように地域間の調整を行う清算機関として、費用負担調整機関が設置されます。
低炭素投資促進機構は費用負担調整機関の公募に応募し、2012年3月にその指定を受けました。電気事業者は利用者から電気料金と再エネ賦課金を徴収し、回収した賦課金を低炭素投資促進機構に納入します。低炭素投資促進機構は費用負担調整機関として賦課金を管理・分配し、地域間で賦課金の差が出ないように調整を行っています。
回避可能費用についての情報掲載
低炭素投資促進機構のホームページでは回避可能費用(離島の調整力コスト適用分)や月別の回避可能費用(激変緩和措置適用分)を確認することができます。市場価格連動分の回避可能費用については、日本卸電力取引所(JEPX)ホームページの「スポット市場取引結果」に情報が掲載されています。
分散型エネルギーシステム構築支援事業
分散型エネルギーシステムには、大幅な省エネルギーを実現し、非常時にはコミュニティで一定のエネルギーを確保・融通できるといったメリットがあります。一方で、模範とすべき事業が少ないため、エネルギーシステムの開発や設備の導入に多大なコストを要し、事業採算性の向上が課題となってきました。
本事業は、民間事業者等が実施する、地域の実情に根ざした分散型エネルギーシステムの構築に向けた事業化可能性調査及びマスタープランの策定を支援するもので、具体的には補助金によって民間事業者等の費用負担を軽減しています。分散型エネルギーシステムの構築について、ノウハウの共有や他地域への展開が期待された事業と言えます。
その他の事業
上記の事業に加え、低炭素投資促進機構には、中小企業グリーン投資促進事業や次世代自動車充電インフラ整備促進事業、スマートマンション導入加速化推進事業、円高・エネルギー制約対策のための先端設備等投資促進事業などの基金事業を受託、運営してきた実績があります。