超電導直流送電(Superconducting DC power transmission)

超電導直流送電(Superconducting DC power transmission)とは

A superconductor is a material that has zero electrical resistance when cooled to a certain temperature. Taking advantage of this property, superconducting DC power transmission transmits power without any loss.

「超伝導体」とは、一定の温度まで冷却すると電気抵抗がゼロになる物質です。この性質を活かして、電力ロスのない送電を実現するのが「超電導直流送電」です。

電流には直流と交流がありますが、交流では電気抵抗は完全にはゼロにならないため、超伝導のメリットを最大限に活かすためには、直流送電が適しています。

これまで多くの国では、交流方式による送電システムが採用されてきました。交流送電が主となった理由は、電圧を上下する変圧の仕組みが簡単で、直流よりも送電時の熱の発生を抑えやすかったためです。現在では、半導体素子の進歩により、直流変圧器の変換効率も交流変圧器と遜色ないレベルになっています。

変圧器の問題さえ解決できれば直流送電のほうが効率的であるため、送電網を新しく構築している新興国では、直流送電を採用するケースが増えています。日本でも、本州と北海道の間などの長距離送電では、直流送電が採用されています。太陽光発電風力発電などで生み出される電力は直流電力のため、直流送電との相性も良いとされています。

「キーワードでわかる! 脱炭素と電力・エネルギー[上級編]」より
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