東京電力、先端ITを活用しドイツで電力直接取引プラットフォーム事業を展開
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7月10日、東京電力はブロックチェーンを活用した電力直接取引プラットフォーム事業を、ドイツ大手電力会社であるinnogy社と共同で立ち上げ、ドイツで事業を開始したと発表しました。この事業は、電力の消費者とプロシューマーに対し、電力を直接取引するプラットフォームを構築・提供するものです。
東京電力とドイツの大手電力innogy社が連携、電力直接取引プラットフォーム事業を展開
ブロックチェーンは低コストかつ改ざんが非常に困難な台帳型データベースを実現する技術であり、今後の電力サービスの発展にとって重要なキーワードの一つとなります。そのブロックチェーンを活用し、東京電力は電力直接取引プラットフォーム事業を、ドイツ大手電力会社であるinnogy社と共同で立ち上げ、ドイツで事業を開始したと発表しました。この事業は、電力の消費者とプロシューマーに対し、電力を直接取引するプラットフォームを構築・提供するものです(図1)。
ドイツでは、太陽光発電の増加や、電力における地産地消の機運の高まりなどから、プロシューマーと利用者が直接電力の取引を行うことへの期待が拡大してきています。そのため将来、ブロックチェーンなどの先端ITの進展やP2P電力取引の拡大などにより、電気事業の構造が大きく変革する可能性があります。
innogy社は2015年以降、ドイツのエッセンにて一般家庭と地元企業が参加するP2Pプラットフォームの実証の事業を行い、ブロックチェーンを活用した取引の有効性などの検証を進めてきました。その結果、事業化の見通しを得たことから、東京電力と共同でConjoule社を設立し、本格展開していきます。
東京電力は、今回のConjoule社への出資を通じ、既存電気事業モデルのイノベーションにつながり得る新業態の創出にチャレンジするとともに、将来、日本国内での事業展開も視野に入れ、ブロックチェーンを用いた事業構築・運営などの知見を獲得する、としています。

図1 P2P電力取引プラットフォームの概要図 出典:東京電力
スマートエネルギー化を推進するinnogy社
innogy社は、ドイツをはじめとした欧州16ヶ国で再生可能エネルギー、配電、電力小売・顧客ソリューションの事業を展開する企業です。ドイツだけでなく、シリコンバレー、テルアビブ(イスラエル)、ロンドンなどにも新事業開拓拠点を持ちます。
例えば、innogy社は、前述のように今回のプラットフォーム事業を推進するため、Conjoule社を設立しています(東京電力は3百万ユーロ(約3.6億円)を出資、30%株式を保有)。Conjoule社は2016年10月から、ドイツのEssen KettwigとMülheimで私有の太陽光発電システムと地元の消費者を結びつけるパイロットプロジェクトを実行しています。
エネルギー消費者は学校であるTheodor-Heuss-Gymnasiumや、ドイツ最大の水道事業の1つであるRWWなどです。Theodor-Heuss-Gymnasiumには約760人の生徒、60人の教師と20人の追加のスタッフがおり、様々な社会プロジェクトを支援する学校です。また、RWWは9つの水処理施設を運営しており、3000km以上のパイプラインと13万5千人の顧客を抱えています。
innogy社のデマンドレスポンス事業
顧客のエネルギー管理という観点で重要なデマンドレスポンス事業ですが、innogy社の子会社であるEssent社はUSEFの創設メンバーです。USEFは2014年に設立されたスマートエネルギーを推進する財団であり、2016年1月には欧州のスマート・エネルギー賞を3つ受賞しています。
そのほか、innogy社は2016年にB2B用のエネルギー管理ツールである「Energy HQ」を、イギリス内で提供しています。
国際的なスタートアッププログラム「Free Electrons」を開始
そのほか、国際的なスタートアッププログラム「Free Electrons」を2017年1月9日に開始しています。このプログラムでは、クリーンエネルギー、エネルギー効率化、eモビリティ、デジタル化、オンデマンドの顧客サービスなど、次世代のアイデアを推進するための起業家を募集しています。
プログラムはエネルギーのスタートアップ企業向けに設計されており、世界の7300万人の顧客を対象としたテストと開発の可能性を提供します。また、「Free Electrons」は、東京電力も含めた、7カ国の顧客にアクセスできる8つの国際ユーティリティが運営しています。
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