東京電力、先端ITを活用しドイツで電力直接取引プラットフォーム事業を展開

2017年07月13日

一般社団法人エネルギー情報センター

新電力ネット運営事務局

東京電力、先端ITを活用しドイツで電力直接取引プラットフォーム事業を展開の写真

7月10日、東京電力はブロックチェーンを活用した電力直接取引プラットフォーム事業を、ドイツ大手電力会社であるinnogy社と共同で立ち上げ、ドイツで事業を開始したと発表しました。この事業は、電力の消費者とプロシューマーに対し、電力を直接取引するプラットフォームを構築・提供するものです。

東京電力とドイツの大手電力innogy社が連携、電力直接取引プラットフォーム事業を展開

ブロックチェーンは低コストかつ改ざんが非常に困難な台帳型データベースを実現する技術であり、今後の電力サービスの発展にとって重要なキーワードの一つとなります。そのブロックチェーンを活用し、東京電力は電力直接取引プラットフォーム事業を、ドイツ大手電力会社であるinnogy社と共同で立ち上げ、ドイツで事業を開始したと発表しました。この事業は、電力の消費者とプロシューマーに対し、電力を直接取引するプラットフォームを構築・提供するものです(図1)。

ドイツでは、太陽光発電の増加や、電力における地産地消の機運の高まりなどから、プロシューマーと利用者が直接電力の取引を行うことへの期待が拡大してきています。そのため将来、ブロックチェーンなどの先端ITの進展やP2P電力取引の拡大などにより、電気事業の構造が大きく変革する可能性があります。

innogy社は2015年以降、ドイツのエッセンにて一般家庭と地元企業が参加するP2Pプラットフォームの実証の事業を行い、ブロックチェーンを活用した取引の有効性などの検証を進めてきました。その結果、事業化の見通しを得たことから、東京電力と共同でConjoule社を設立し、本格展開していきます。

東京電力は、今回のConjoule社への出資を通じ、既存電気事業モデルのイノベーションにつながり得る新業態の創出にチャレンジするとともに、将来、日本国内での事業展開も視野に入れ、ブロックチェーンを用いた事業構築・運営などの知見を獲得する、としています。

P2P電力取引プラットフォームの概要図

図1 P2P電力取引プラットフォームの概要図 出典:東京電力

スマートエネルギー化を推進するinnogy社

innogy社は、ドイツをはじめとした欧州16ヶ国で再生可能エネルギー、配電、電力小売・顧客ソリューションの事業を展開する企業です。ドイツだけでなく、シリコンバレー、テルアビブ(イスラエル)、ロンドンなどにも新事業開拓拠点を持ちます。

例えば、innogy社は、前述のように今回のプラットフォーム事業を推進するため、Conjoule社を設立しています(東京電力は3百万ユーロ(約3.6億円)を出資、30%株式を保有)。Conjoule社は2016年10月から、ドイツのEssen KettwigとMülheimで私有の太陽光発電システムと地元の消費者を結びつけるパイロットプロジェクトを実行しています。

エネルギー消費者は学校であるTheodor-Heuss-Gymnasiumや、ドイツ最大の水道事業の1つであるRWWなどです。Theodor-Heuss-Gymnasiumには約760人の生徒、60人の教師と20人の追加のスタッフがおり、様々な社会プロジェクトを支援する学校です。また、RWWは9つの水処理施設を運営しており、3000km以上のパイプラインと13万5千人の顧客を抱えています。

innogy社のデマンドレスポンス事業

顧客のエネルギー管理という観点で重要なデマンドレスポンス事業ですが、innogy社の子会社であるEssent社はUSEFの創設メンバーです。USEFは2014年に設立されたスマートエネルギーを推進する財団であり、2016年1月には欧州のスマート・エネルギー賞を3つ受賞しています。

そのほか、innogy社は2016年にB2B用のエネルギー管理ツールである「Energy HQ」を、イギリス内で提供しています。

国際的なスタートアッププログラム「Free Electrons」を開始

そのほか、国際的なスタートアッププログラム「Free Electrons」を2017年1月9日に開始しています。このプログラムでは、クリーンエネルギー、エネルギー効率化、eモビリティ、デジタル化、オンデマンドの顧客サービスなど、次世代のアイデアを推進するための起業家を募集しています。

プログラムはエネルギーのスタートアップ企業向けに設計されており、世界の7300万人の顧客を対象としたテストと開発の可能性を提供します。また、「Free Electrons」は、東京電力も含めた、7カ国の顧客にアクセスできる8つの国際ユーティリティが運営しています。

この続きを読むには会員登録(無料)が必要です。

無料会員になると閲覧することができる情報はこちらです
電力の補助金

補助金情報

再エネや省エネ、蓄電池に関する補助金情報を一覧できます

電力料金プラン

料金プラン(Excel含)

全国各地の料金プラン情報をExcelにてダウンロードできます

電力入札

入札情報

官公庁などが調達・売却する電力の入札情報を一覧できます

電力コラム

電力コラム

電力に関するコラムをすべて閲覧することができます

電力プレスリリース

プレスリリース掲載

電力・エネルギーに関するプレスリリースを掲載できます

電力資格

資格取得の支援

電験3種などの資格取得に関する経済支援制度を設けています

はてなブックマークGoogle+でシェア

執筆者情報

一般社団法人エネルギー情報センターの写真

一般社団法人エネルギー情報センター

新電力ネット運営事務局

EICは、①エネルギーに関する正しい情報を客観的にわかりやすく広くつたえること②ICTとエネルギーを融合させた新たなビジネスを創造すること、に関わる活動を通じて、安定したエネルギーの供給の一助になることを目的として設立された新電力ネットの運営団体。

企業・団体名 一般社団法人エネルギー情報センター
所在地 東京都新宿区新宿2丁目9−22 多摩川新宿ビル3F
電話番号 03-6411-0859
会社HP http://eic-jp.org/
サービス・メディア等 https://www.facebook.com/eicjp
https://twitter.com/EICNET

関連する記事はこちら

「高温対応機器エリア」でサーバの冷却電力を極小化、NECが名古屋に都市型データセンターを開設の写真

一般社団法人エネルギー情報センター

2017年09月07日

新電力ネット運営事務局

「高温対応機器エリア」でサーバの冷却電力を極小化、NECが名古屋に都市型データセンターを開設

9月5日、NECは愛知県名古屋市内に「NEC名古屋データセンター」を新設し、2019年4月よりサービス提供を開始すると発表しました。データセンターに「高温対応機器エリア」が設置されることで、高いエネルギー効率が実現します。

富士見森のエネルギー、東芝ライテックと共同でHEMS技術を活用した「安心見守りサービス」のモニター募集開始の写真

一般社団法人エネルギー情報センター

2017年09月06日

新電力ネット運営事務局

富士見森のエネルギー、東芝ライテックと共同でHEMS技術を活用した「安心見守りサービス」のモニター募集開始

8月7日、富士見森のエネルギーは、東芝ライテックと協働で、2017年8月より富士見町を対象に「安心見守りサービス」のモニターの募集を開始したと発表しました。「安心見守りサービス」では、HEMSにより電力の利用データを分析することで、毎日の電気使用量から住居人の動向を確認することができます。

日本気象協会、日本卸電力取引所(JEPX)のスポット取引価格をAI技術で予測の写真

一般社団法人エネルギー情報センター

2017年08月25日

新電力ネット運営事務局

日本気象協会、日本卸電力取引所(JEPX)のスポット取引価格をAI技術で予測

8月23日、日本気象協会は、日本卸電力取引所(JEPX)のスポット市場を対象とした電力取引価格予測のサービス提供を開始すると発表しました。スポット市場での30分ごとの電力取引価格を人工知能(AI)によって予測する内容となります。

電波が直接届かない場所でドローンを制御、電力設備を点検するドローンの開発目指すの写真

一般社団法人エネルギー情報センター

2017年08月22日

新電力ネット運営事務局

電波が直接届かない場所でドローンを制御、電力設備を点検するドローンの開発目指す

8月18日、電源開発と情報通信研究機構は、「ドローンを活用した電力設備点検のための無線伝送システムの共同研究」を進めることとなり、契約を締結したと発表しました。電波が直接届かない場所でドローンを制御することで、足場の悪い山中を移動する必要性がなくなり、作業効率の大幅な改善が期待されます。

東京電力、先端ITを活用しドイツで電力直接取引プラットフォーム事業を展開の写真

一般社団法人エネルギー情報センター

2017年07月13日

新電力ネット運営事務局

東京電力、先端ITを活用しドイツで電力直接取引プラットフォーム事業を展開

7月10日、東京電力はブロックチェーンを活用した電力直接取引プラットフォーム事業を、ドイツ大手電力会社であるinnogy社と共同で立ち上げ、ドイツで事業を開始したと発表しました。この事業は、電力の消費者とプロシューマーに対し、電力を直接取引するプラットフォームを構築・提供するものです。