電力系統の増強等に係る新電力事業者の費用負担
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2015年07月17日
一般社団法人エネルギー情報センター

普段皆さんが利用する電気のインフラ維持には、コストが必要です。系統の運用が疎かになると、機械の精度が落ち、停電にもつながります。そのため、コストを適切に分配し、安定して運用する必要があります。
系統について
系統(電力系統)とは、発電設備、送電設備、変電設備、配電設備、需要家設備といった電力の生産から消費までを行う設備全体を指します。
系統の増強等に係る費用負担の分配方法
系統は電力の需要と供給で成り立っており、そのバランス(同時同量)が崩れると、電圧が低くなるほか、周波数が不安定になります。電球の光がまばたきするように不安定になるのが、わかりやすい例です。工場などの機械の中には、周波数が少し変化しただけで、精度にぶれが生じ、製品の品質に大きな影響が出るものもあります。微細な加工が必要な半導体工場にも影響が出ます。系統のバランスが著しく損なわれると、停電に繋がります。
系統の管理は、電力が生活基盤となる社会を支える上で非常に重要ですが、コストがかかります。そのコストを、新電力と一般電気事業者間でどのように負担分配するかについて議論が進められています。
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一般社団法人エネルギー情報センター
上智大学地球環境学研究科にて再エネ・電力について専攻、卒業後はRAUL株式会社に入社。エネルギーに係るITを中心としたコンサルティング業務に従事する。その後、エネルギー情報センター/主任研究員を兼任。情報発信のほか、エネルギー会社への事業サポート、また法人向けを中心としたエネルギー調達コスト削減・脱炭素化(RE100・CDP等)の支援業務を行う。メディア関連では、低圧向け「電気プラン乗換.com」の立ち上げ・運営のほか、新電力ネットのコンテンツ管理を兼務。
企業・団体名 | 一般社団法人エネルギー情報センター |
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所在地 | 東京都新宿区新宿2丁目9−22 多摩川新宿ビル3F |
電話番号 | 03-6411-0859 |
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