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エネルギーデジタル化の最前線 第17回

一般社団法人エネルギー情報センター

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通信とライフデザインの融合を掲げ、顧客視点に立ったサービス開発と ビッグデータ分析技術により、便利で楽しく使い続けられるアプリを実現。 KDDIの取り組みを紹介する。

執筆者:一般社団法人エネルギー情報センター
理事 江田健二

富山県砺波市出身。慶應義塾大学経済学部卒業。アンダーセン・コンサルティング(現アクセンチュア株式会社)に入社。エネルギー/化学産業本部に所属し、電力会社・大手化学メーカ等のプロジェクトに参画。その後、RAUL株式会社を起業。主に環境・エネルギー分野のビジネス推進や企業の社会貢献活動支援を実施。一般社団法人エネルギー情報センター理事、一般社団法人CSRコミュニケーション協会理事、環境省 地域再省蓄エネサービスイノベーション委員会委員等を歴任。

記事出典:書籍『IoT・AI・データを活用した先進事例8社のビジネスモデルを公開 エネルギーデジタル化の最前線2020』(2019年)

継続的にアプリを使ってもらう仕組み

今では顧客満足度の高い同社のアプリであるが、アプリを出して1年で一定数の利用はあったものの、電気使用データの提供だけにとどまらず、更なる機能の進化と、より身近なアプリとしてご利用いただきたいという思いがあったという。そこで同社ではアプリ開発の方向性を見定めるべく、利用者を招いて様々なディスカッションを実施し、さまざまな意見を求めた。

その結果、利用者の声のひとつ、「アプリを開くとポイントが貯まるなど、何かゲーム感覚のものがあると、よりアプリも見るし、電気への興味も沸く」というコメントに着眼した。「遊び心も大事だと気が付き、ゲームの要素を入れてみようかということになった」(都築氏)。

そこから「auでんきガチャ」を設定したところかなりの好評を得た。これは、月内の利用料金1,000円毎に1回、Wowma!で使えるクーポンが当たるガチャを引く権利が発生するというもの。この仕組みのポイントは、ガチャを引く権利を貯めておくことはできない点にある。

例えば、利用料金が10,000円になるまで権利を貯めて、まとめて10回ガチャを引くことはできない。1,000円のときに与えられた権利を使わないままでいると、その権利は消えてしまい、2,000円の電力料金まで到達した際に、あらためて1,000円~2,000円分の1回分を引く権利が得られる。つまり、利用者は定期的に自分の利用料金をアプリで確認することになるのだ。これによりアプリへのアクセス数が倍に増えたという。

利用者の立場に立った停電情報の提供

また同社のアプリでは、全国の停電情報を公開するという、思い切った対応をしている。これは、同社がサービスインした2016年4月に熊本地震が発生したことに起因する。当時、大きな被害のあった地域も既に利用者がいた。

「私たちはどうすることもできないもどかしさがあった。何かしなければということで、減免措置を実施し、その上でもっとも心配であろう停電情報は、事業者の垣根を超えて広く瞬時にご提供したいと考えた。」(都築氏)。

停電情報は、これまで利用者が一般電気事業者のHP等へアクセスして確認する必要があり、また確認にも自身の住所エリアを検索する等、手間があった。これを何とかしなければということで取り組んだのが、この停電情報の提供だ。情報ソースは一般電気事業者が公表している情報に加えて、KDDIのパートナー事業者が個別に入手した細かい情報を掲載している。

停電情報は全国の情報が掲載されるので、災害時には自分の居場所だけでなく、たとえば郷里の状況などを確認することができる。また、自分の住所エリアが停電したときにはauでんきアプリのTOP画面にお知らせを表示してくれる。エネルギーというライフラインに携わる企業として、利用者のさまざまな状況をイメージし対応を進化させる同社の真摯な姿勢がうかがえる。

今後の展望

2019年以降、太陽光発電固定買い取り制度が順次満了を迎えるが、初年度は50万件が該当する。同社では3年前からVPP実証事業に取り組んでおり、固定買い取り制度満了後に、蓄電池の普及がどのように普及してくるのか注視しているという。

「蓄電池は今後市場の中でどのように創出されてくるかがポイントになるので、どうマネタイズできるかを検討中だ。家庭の蓄電池から電力融通してKDDIが買い取り、他の利用者に提供するフローは最もイメージしやすく、これが可能になればビジネスの幅が広がることは必至。VPPはイノベーションを起こすきっかけとなるだろう。」と都築氏は語る。そのためにも、規制、価格設定、利用者の反応などの課題を一つ一つ着実に解決していく方針だ。

また、家庭での家電制御技術にも注力を忘れていない。au HOMEとも連携中であり、通信事業を持つ同社ならではの、大きな付加価値となる可能性が高い。これまで培った顧客接点のノウハウと絡めて、利用者のライフデザインを想像する新しい事業展開を見定めている。

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