強化地熱システム

強化地熱システムとは

強化地熱システムとは、(Enhanced Geothermal Systems)の略で、地下深くの熱い岩石に人工で貯留層を作り、そこに地上から水などを注入して地熱発電を行うという次世代型技術のことです。

背景

1970年代の初めに「高温岩体発電」として米国で実験が始まり、日本でも行われました。しかし思うように貯留層を作ることが出来ず、92年に米国が実験を打ち切り、2002年には日本も終了してしまいました。

ところが豪州やドイツなどは「強化地熱システム(以下EGS)」として実験を継続し、最近では米国でも実験が再開され、再び期待が高まっています。

具体的な内容

EGSの発電方法としてはまず地下にある高温の岩石に井戸を掘り、そこにかなりの量の水と化学物質を高圧で注入することで裂け目を作ります。ここに水を送り込み、そこで熱されて発生した蒸気を地表に戻すことで発電に使います。

効果

EGSを使用すれば、次のようなメリットが生じます。まず、地熱による発電量の増大が期待できます。また、EGSは高温岩石があればよいので、たくさんの地域が地熱地帯として使えるようになると言われています。

懸念

EGSは井戸に水と化学物質を高圧で注入し、深層にある高温岩体に切れ目をつくりそこから出た蒸気を発電に使います。この発電方法に似ているものとして、シェールガスの採掘が挙げられます。シェールガスは、シェールロック層に井戸を打ち込み、そこから水圧破砕によって地下のシェール層に亀裂を生じさせることで取り出すことができます。

このような採掘方法をフラッキングといいます。しかしこのようなやり方に対し欧州や米国で「環境破壊だ」と一部の人々から反対の声が挙げられています。

たくさんメリットのあるEGSですが、いずれはシェールガスの採掘方法のようにその発電方法に物議を醸すことになるかもしれません。

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