直接空気回収 (Direct air capture (DAC))

直接空気回収 (Direct air capture (DAC))とは

吸着剤などを用いることで、大気中からCO₂を直接吸収し、分離・除去する技術のことです。

A technology that separates, absorbs and removes CO₂ directly from the atmosphere by using adsorbents and other materials.

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「直接空気回収(DAC)」は、ネガティブ・エミッション技術の一つとして期待されています。溶剤を利用して特殊な液体に吸収させて分離する方法や、選択的に透過する膜で分離する方法などがあります。

大気中にいったん放出されたCO₂は、数百年から数千年もの間残留します。そのため、たとえCO₂の排出量がゼロになっても、大気中のCO₂の濃度を下げるには、大気からCO₂を直接除去する手法が必要だといわれています。その中でも、副作用が少なく効果的な手法として、DACが注目されています。

一方で、大気中に含まれるCO₂の濃度は0.04%と低いため、回収効率やコストが課題になっています。日本をはじめ、欧州やアメリカ、カナダなどで、スタートアップ企業が実用化に向けた研究開発を進めており、2020年時点で15の小規模プラントが稼働しています。アメリカ石油・ガス大手は、2035年までに年間最大100万トンを回収するプラントを約70基建設する予定です。

「キーワードでわかる! 脱炭素と電力・エネルギー[上級編]」より
 5日間でわかる 系統用蓄電池ビジネス