水素活用還元プロセス技術 (Hydrogen reduction process technology)

水素活用還元プロセス技術とは

産業部門全体におけるエネルギー起源CO₂排出量の多くの割合を占める「鉄鋼業」において、さらなる省エネを進め、CO₂排出量を低減するための革新的な技術です。

Innovative technology designed to save more energy and further reduce CO₂ emissions in the steel industry, which accounts for a large portion of energy-origin CO₂ emissions in the industrial sector as a whole.

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製鉄プロセスでは、まず石炭を蒸し焼きにして「コークス」という物質を作ります。コークスは鉄鉱石に含まれる酸素と結びついて、CO₂を発生させ、鉄鉱石から酸素を取り除くという役割を果たします。この現象を「還元」と呼びます。この工程により、鉄鉱石が酸化することを防ぎ、強い鉄を作ることができます。

鉄鋼業は重要な産業分野ですが、エネルギー起源とするCO₂排出量の割合は、産業部門全体の約40%を占めています(2016年時点)。そのうちの約8割を製鉄プロセスが占めています。

そこで水素活用還元プロセス技術では、コークスを作る際に排出されるガスの中のメタンから水素を取り出し、水素を鉄鉱石の酸素と結びつけて水(H₂O)を作ることで、鉄鉱石から酸素を取り除く還元を行います。現在日本では、2030年頃までの1号機実機化に向けて、実証実験が進められています。

「キーワードでわかる! 脱炭素と電力・エネルギー[中級編]」より
 5日間でわかる 系統用蓄電池ビジネス