IPCC

用語

IPCCとは、国連気候変動に関する政府間パネル(Intergovernmental Panel on Climate Change)の略です。各国政府を通じて推薦された科学者が参加し、5~6年ごとにその間の気候変動に関する科学研究から得られた最新の知見を評価し、評価報告書(assessment report)にまとめて公表します。特定のテーマに関する特別報告書(special report)や気候変動に関する方法論に関する指針なども作成、公表します。

目的

人為起源による気候変化、影響、適応及び緩和方策に関し、科学的、技術的、社会経済学的な見地から包括的な評価を行うことを目的として、1988 年に国連環境計画(※1)と世界気象機関(※2)により設立された組織です。

※1)国連環境計画…国連環境計画(United Nations Environment Programme : UNEP)1972年開催の国連人間環境会議で採択された「人間環境宣言」および「環境国際行動計画」を実施に移すために、同年の国連総会決議に基づいて設立された機関のことです。

※2)世界気象機関…世界気象機関(World Meteorological Organization : WMO)は国連の専門機関の一つとして、世界の気象業務の調和と統一のとれた推進に必要な企画・調整活動にあたっています。

構成

IPCCの総会は、第1作業部会(WG1):科学的根拠、第2作業部会(WG2):影響・適応・脆弱性、第3作業部会(WG3):緩和策、それぞれの報告書と3つの報告書を統合した統合報告書(Synthesis Report)の4つの報告書から構成されています。

IPCC総会で、評価報告書の作業計画に関する決定を行います。報告書作成のための執筆者や査読者を決定します。また、報告書の各章に通常先進国1人、途上国から1人の計2人の総括代表執筆者が指名されます。総括代表執筆者のもとで、代表執筆者が各章を執筆します。報告書案は、専門家の査読者と政府によって査読が行われます。査読編集者は、査読コメントが十分に考慮されているかを確認します。最終案は、IPCCのホームページに公開し、専門家のコメントも求めます。

これまでの報告(2014年時点)

  1. 第1次報告書(1990年)First Assessment Report 1990 (FAR)
  2. 第2次報告書(1995年)Second Assessment Report: Climate Change 1995 (SAR)
  3. 第3次報告書(2001年)Third Assessment Report: Climate Change 2001 (TAR)
  4. 第4次報告書(2007年)Forth Assessment Report: Climate Change 2007 (AR4)
  5. 第5次報告書(2013年)Fifth Assessment Report: Climate Change 2013 (AR5)

これまでの主な特別報告は以下のものがあります。「改定版1996年IPCC温室効果ガス国家目録指針」(1996年)「土地利用、土地利用変化及び林業に関する良好手法ガイダンス」(2003年)など。また、2007年に第4次評価報告書を発表した際にノーベル平和賞を受賞し、話題となりました。

新電力との関係性

第5次報告書の第3作業部会報告書案において、地球温暖化による深刻な影響を避けるためには、2050年までに世界の温室効果ガス排出量を10年に比べ40~70%程度減らさなければならないとしています。また、世界全体のエネルギー需要に占める割合が現在12.9%にとどまっている再生可能エネルギーについて、2050年には世界のエネルギー需要の最大77パーセントを満たすことができるとする報告書を発表しました。それによって、二酸化炭素の排出量も、2050年までに最大で5600億トンの大幅な削減が実現でき、温暖化の進行を抑えることができるとしています。