非在来型天然ガス

非在来型天然ガスとは

豊富な埋蔵量が確認されており次世代の資源として注目されているものの、掘削に高い技術を要する他、精製のコストが大きいため2000年前後になるまでほとんど開発が進んでいなかった天然ガス資源です。主に「タイトサンドガス」「コールベッドメタン(CBM)」「シェールガス」「メタンハイドレート」の事を言います。

在来型天然ガスとの違いとは

在来型資源は、石油炭化水素量を発生しうる岩石である「石油根源岩」がその起源となり、ガスや石油が染み出したものです。これらは隙間の多い岩石中の貯留層や背斜地形に溜まっていくため、穴を掘れば地下圧のおかげで勝手に噴き出て来るため経済的です。一方、非在来型資源では資源を獲得するための費用が、在来型資源よりも一般的に高くなります。

例えば非在来型資源の一種であるシェールガスは、ガスの流れにくい浸透性の低い地層の岩石中に残留または吸着しています。このためただ地面を掘って穴をあけただけでは何も出てこないのです。これらを掘削し利用出来る状態にするには、水平坑井という岩盤に沿って地層と水平になるように掘り進めていく技法や、フラクチャリングという水圧で岩盤を破砕して漏れ出したガスを集める技法など、特殊な技術が必要です。

メリット

非在来型天然ガスの最大のメリットはその資源量の多さです。基本的に天然ガスは石油や石炭と比べて環境負荷の小さい燃料と言えるので、その資源量が多い事は環境保護の観点から見ても大変喜ばしいと言えるでしょう。例として、非在来型のシェールガスを在来型天然ガスと石油と比べてみます。2013年のデータが以下の表の通りです。

シェールガス 在来型天然ガス 石油
技術的回収可能資源量 206.6兆㎥ 187兆㎥ 1兆6879億バレル
可採年数 ーー 56年 53年

技術的回収可能資源量とは、推測される全埋蔵量のうち現在の技術で採掘可能とされる量の事です。他の2つと比べても膨大なことが判ります。

さらに米国エネルギー情報局EIAは2011年4月、シェールガスにおける「リスクを含む原始埋蔵量」を25300兆立方フィートと推定しており、技術の進歩によっては上記の量に加えてこちらも利用できるようになるため大きな可能性を秘めていると言えます。また、採掘・精製ともに技術が発展途中の段階にあるため、画期的な技術を編み出したらそれが世界にもたらす経済効果には期待が持てます。

デメリット

掘削方法が特殊であるために発生する問題があります。一つは水圧破砕に用いられる大量の水で地下水層が汚染される可能性がある点です。採掘が行われる層と生活用水になる浅部の帯水層との間はシェールガスの場合は数千m、CBMの場合は数百~千m以上の岩盤層があり、汚染につながる事はほとんどないと考えられていました。しかし坑井数の増加や掘削の際のトラブルなど不特定多数の要素が汚染の原因となりうる事が分かってきたため慎重なリスクマネジメントが必要となってきました。

また、低炭素でクリーンとされている非在来の資源でも、精製の際に石油資源由来のエネルギーを使用するため、結果として生産時の二酸化炭素排出量が在来型より多くなってしまう場合があります。より効率的な精製法の確立が今後の課題となりそうです。

日本における非在来型天然ガスの可能性

アメリカではシェールガスの運用が盛んになっていますが、日本で注目すべき非在来型資源はメタンハイドレートです。メタンハイドレートは低温高圧条件下でつくられ、大陸縁辺や永久凍土に分布するため日本近海に膨大な埋蔵量が見込まれています。エネルギーのほとんどを輸入に頼っている日本としては大きな可能性を秘めていると言えます。