工作機械

工作機械とは

金属その他の材料を有用な形に切削、研削などの方法で加工する機械のことを言います。ただし、現在では石材や木材を加工するものを除くのが普通です。日本では、「主として金属の工作物を、切削、研削などみよって、または電気、その他のエネルギーを利用して不要な部分を取り除き、所要の形状に作り上げる機械です。

カメラや時計、家電製品などの身近な機器から、自動車や航空機などの大型のものまで、金属を必要とする製品の部品加工をしています。

工作機械の背景

古代の工作機械では粘土をこねたり、木を削ったりして生活用品を作っていました。その後イギリス産業革命の影響により、機械は強度の弱い木製から金属製へと変化していき、現代の工作機械の基盤となっています。時代とともに工作機械の種類の増加、性能の向上もよくなり、手作業のほとんどが機械化されました。最近では、NC装置にコンピューター機能が搭載され、指令情報を簡単に入力できるようになっています。

NC工作機械と汎用工作機械

工作機械は大きく分けて二つの種類があり、作業者がハンドルを回すことで操作される「汎用工作機械」、コンピューター等によって自動運転を行う「NC工作機械」です。どちらの工作機械でも金属やガラス等の材料を、切る、削る、彫る、穴を開けるというように求められる部品を大量に作ることができます。

それぞれの工作機械にはメリットとデメリットがあります。汎用工作機械は、基本操作を覚えれば多くの種類の部品を作ることができ、単品の加工であればNC工作機械よりも短時間で作れるというメリットがあります。ただ、球面や曲面の形状の加工が困難であり、手動ではむずかしい作業です。

一方のNC工作作業は、NCプログラムの準備などの段取りさえ終えてしまえば、加工が早く、量産加工に適しています。また、球面や曲面などの複雑な形状も得意としています。デメリットとしては、段取りやNCプログラムの開発が難しく、使いこなすには多くの経験と技術が必要になります。

日本と海外

日本は1982年から27年間、工作機械生産額で世界第1位でしたが、2010年に中国がトップとなりました。日本の10倍の人口、インフラ整備(水道・電気・ガス・鉄道網)の拡大ということを考えると、日本市場とは比較のならない巨大な市場が中国に存在しています。2013年の世界の工作機械(切削型)生産国ランキング(27ヵ国)によると,第1位は中国(31%),と一歩抜け出し,以下第2位はドイツ(22%),第3位は日本(22%)と拮抗しています。

世界の工作機械生産額と貿易額

世界の工作機械生産額と貿易額 出典:中国経済経営学会

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