時間前市場

時間前市場とは、JEPXにおいて実施される取引における類型の一つです。取引類型は4種類あり、時間前市場のほか、一日前市場(スポット市場)、先渡市場、掲示板市場があります。

概要

時間前市場(当日市場)は、実需給の直前まで活用可能な市場です。当日の発電不調や気温変化による発電・需要の調整の場として、最短で1時間後、最長で30時間後に受け渡す電気を30分単位の商品毎に取引します。また平成28年4月より1時間前市場は開設され、これにより365日営業へと変更になり土日祝日、G/W、正月も取引を実施可能となりました。

JEPXにおける取引類型と入札期間

取引所市場の約定処理

市場の値決めを行うのにザバラ方式とオークション方式があります。時間前市場はザバラ方式、一日前市場はオークション方式にて処理されます。

ザバラ方式

価格優先・時刻優先で、個人の入札を付け合わせ随時取引を成立させる方式です。自社の都合に合せた量と価格調整に優れています。また、短期売買を必要とする市場に適しています。

オークション方式

締め切りまでの入札を付け合わせ、売買が均衡する量と価格で取引を成立させる方式です。価格指標の形成、メリットオーダーの追及に優れています。また、メリットオーダーの追及や、公正な価格指標の形成を重視する市場に適しています。

時間前市場と一日前市場の違い
  時間前市場 (当日市場) 一日前市場 (スポット市場)
商品 電力の計量単位(毎時0分~30分、30分~60分)毎に行う
入札単位 0.1MW/30分 1MW/30分
指定単位 kWh単位で価格指定、 銭単位まで指定 kWh当たりの価格を銭単位で指定
入札の方法 30分単位の商品毎のザラバ取引   取引可能時間は、毎日17時に翌日0時からの48商品の取引を開始し、商品毎に受渡時間の1時間前まで取引可能 1日(48時間帯)を1入札単位として計算する、(ブラインドシングルプライス)オークション方式   取引日の10日前から入札可能で、入札可能な時間帯は午前8時から午後5時
入札受付時間 24時間開場 毎日、10時に入札締め切り

時間前市場と一日前市場の概要

狙い

時間前市場の役割は、JEPXにおいて主要となる一日前市場(スポット市場)のその後の調整としての機能です。一日前市場で翌日に受渡する電気の取引がなされた後、実際の受渡までの間に不測の発電不調や需要急増が起こることがあります。例えば、発電を予定している発電所が事故により停止しなければならない、予想以上に気温が上がり需要が増える、などです。そのような翌日計画策定後の不測の需給ミスマッチに対応するための市場です。

発電側で言えば、発電所が事故により停止し、計画していた量が発電できない場合、この時間前市場(当日市場)で不足分を調達することが可能です。また気温低下などにより発電量が増える場合は、追加して売却することもできます。

そのほか、限界費用での電源の有効活用といったメリットもあります。電力会社は、需要に対してコストの安い発電所から順番(この順番をメリットオーダーと言います)に運転して対応します。通常は、自社の発電所を優先してメリットオーダーが組まれてしまうため、もっとコストの安い他社の発電所で電力が余っていても有効に活用されないことがあります。1時間前市場を活用することで、自社の発電所に限らず、実需給時間のギリギリまで、多様な発電所を市場メカニズムで活用できるという期待があります。