環境・CSR投資

日本政策投資銀行

環境
(33点)
社会
(33点)
ガバナンス
(34点)
合計
(100点)
20 26 29 75

全体の環境価値評価を通じた印象としては、やはり大手で政府系の金融機関ということもあり内部の構造や活動方針については細かく多くのデータがあった。まず一点目として、あまり環境に関する国際規格への加盟などは明記されていないようであったが、日本政策投資銀行独自の規格や認証が数多くあり、それらを使ってCSRがしっかりと実行されている企業への投資判断等を行っていることが印象的であった。

日本政策投資銀行はもちろん信頼の厚い機関であるが、この独自の認証がどれくらい信頼性があり世界で通用するのかは疑問のままであった。二点目として気になったのは、投資先などの取引先企業に対する認証やCSR評価は豊富でデータや資料が数多くある一方で、自社での取り組みは特に環境分野について、漠然とした言葉を使うのみで結果の明記があまりなかった点である。

CSRレポートやサステナビリティのページには、「ボランティア」「環境負担の少ない製品の利用」などと書いてあるが、より細かく何をしたか、どのような製品の利用をどう切り替えたなどの具体的な情報は一部しか見つけることができなかった。日本政策投資銀行は日本と海外の各地に拠点を持っていて日本のボランティア活動報告はあるが、海外の拠点が具体的に何をしているかという環境面の内容をより明らかにすべきだと思う。

それが結果的に、環境面の合計点が他と比べて低くなった根拠である。ただ、社会面とガバナンス面と比較したら弱いというだけで、他の企業との相対的評価だと環境面もとても高くなるであろう。それくらい幅広い活動を行っている機関である。

社会とガバナンスに関しては、冒頭でも述べた通り外部機関やステークホルダーとの交流を通じた上での従業員支援は手厚く行われていることがわかったので、全体的に点数が出ている。取引先とCSR面の強固な繋がりや、事業を活かした活動を促進を積極的に行っていることは評価の高さにも表れているだろう。従業員教育や福利厚生も手厚くあり、今回参照はしていない社員インタビューなどからも知ることができるだろうと推測する。

その一方、雇用の入り口が狭いのではないかという印象を抱いた。積極的な外国人雇用を行っている企業を評価する文献が複数見つかったのに対し、アニュアルレポートなどからは、外国人、障がい者、高齢者の雇用を目指すという内容はほぼなかった。

環境との関連の項目に「将来の行動計画において環境配慮」というものがあり、それは上記の環境分野でも述べたが計画は明記されている一方数値データはあまり提供されていないのは問題である。結論としては、大規模な機関という強みを活かした活動を多く行っており、それを発信している姿はとてもCSRとして評価されるべきであろう。

出典元

https://www.dbj.jp/pdf/CSR_disclo/2010/01.pdf

https://www.dbj.jp/pdf/CSR_disclo/2022/02.pdf

https://www.dbj.jp/sustainability/