エナジー・トリプル・トランスフォーメーション

発行年月日:2019年11月22日
発行所:エネルギーフォーラム

執筆者:井熊均、瀧口信一郎、木通秀樹

エナジー・トリプル・トランスフォーメーションの写真

本書は、「グリッド」「燃料」「デジタル」というエネルギーの未来を拓く三大改革と次世代システム実現に向けたロードマップを示すものです。エネルギービジネスのヒントとなる情報が充実している一冊となります。

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株式会社日本総合研究所

瀧口信一郎氏

京大大学院人間環境学研究科修了。テキサス大学MBA(エネルギーファイナンス専攻)。現在、日本総合研究所創発戦略センター・シニアスペシャリスト。専門はエネルギー政策・事業戦略。

2018年7月の第5次エネルギー基本計画では、2015年7月のエネルギーミックスの維持、再エネ主力電源化が示されました。その後、2030年、2050年に向け、エネルギーシステムの転換が必要と多くのエネルギー関係者が認識しています。

EUは、ドイツを中心に偏西風と大陸特有の平原や遠浅の海洋を活かして大規模風力発電を主力電源化しつつあります。ここで目指されているのは原子力発電所並みに大規模化し、再エネ発電の低コスト化を追求することです。

一方、日本は山岳地帯が多く、海溝が周辺を囲い、大規模風力発電の拡大に限界があります。日本のエネルギー関係者の中に、再エネを取り入れ、経済的で国際競争力のある日本型のエネルギーシステムが、どのようなものかについて迷いがあるのが現実です。

本書は、低コストの再エネに恵まれない日本が、どのようなエネルギーシステムを目指せばよいかを明確にすることを目的としています。このことが、迷いを絶ち、2030年、2050年の次世代のエネルギーシステム構築に向けて投資対象を明確にし、エネルギー産業の強化、ひいては日本のエネルギーシステムの安定化につながると確信しているからです。

本書では、送配電システム転換:グリッド・トランスフォーメーション、燃料転換:フューエル・トランスフォーメーション、データビジネスへの発展:デジタル・トランスフォーメーションの3つの(トリプル)トランスフォーメーションを提言しています。日本のエネルギー産業の復活に向けて、次世代のエネルギーシステムの議論の盛り上がりに貢献することができれば幸いです。