エネルギー業界の破壊的イノベーション

発行年月日:2018年6月9日
発行所:エネルギーフォーラム

著者:野村総合研究所 滝 雄二朗/佐藤仁人/前田一樹/向井 肇

エネルギー業界の破壊的イノベーションの写真

日本を代表するシンクタンクが業界の動向を大胆に展望した一冊です。エネルギー業界に変化をもたらすキー技術や、主要プレーヤーの動向、事業機会の獲得方策などがまとめられています。

著者インタビュー

著者情報

ロゴ(野村総研)

野村総合研究所 滝 雄二朗/佐藤仁人/前田一樹/向井 肇

野村総合研究所は、1965年に日本初の民間シンクタンクとして設立された。それ以降、常に時代を先取りした、企業戦略の提案や政策提言、システム開発・運用を行っており、顧客のビジネス創発を支援している。著者チームは、主に環境・エネルギー分野の事業戦略立案、業務改革支援、M&A・アライアンス戦略支援に加え、政府・官公庁の政策立案などを実施している。

東日本大震災以降、日本のエネルギーシステムは、大きく変化しました。発電事業領域では、再生可能エネルギーの固定買取制度が導入され、再生可能エネルギー発電事業が拡大しました。また、エネルギーの小売事業領域では、電力およびガス小売事業が全面自由化され、新規参入者が増加しました。

一方で、国外に目を向けると、欧米諸国を中心に再生可能エネルギーの増加に伴い、分散電源を中心としたエネルギーの供給体制、すなわち「エネルギーシステムの分散化」が進みつつあります。さらに、エネルギー販売領域では、種々のサービスが統合され、1つのサービスとして提供される動き、すなわち「エネルギーサービスのワンストップ化」が進みつつあります。

「エネルギーシステムの分散化」は、需要家同士で電気の売り買いを実施する、いわゆるP2P(Peer to Peer)の電力取引にもつながっていく動きです。また、「エネルギーサービスのワンストップ化」の進展に伴い、幅広いプレーヤーがエネルギーの領域で価値提供を行う機会を獲得することになります。このような変化の中で、蓄電池やEV(電気自動車)、マイクログリッド、VPP(仮想発電所)など、新しい技術を利用したビジネスが立ち上がりつつあります。

そこで本書では、「エネルギーシステムの分散化」と「エネルギーサービスのワンストップ化」という2つの大きな変化によって、「エネルギー業界が今後どのように変化していくのか」、「その変化の中でどのような事業機会が生まれるのか」といった点を描きました。