失敗から学ぶ「早稲田式」地域エネルギービジネス

発行年月日:2017年6月19日
発行所:エネルギーフォーラム

執筆者:小野田弘士

失敗から学ぶ「早稲田式」地域エネルギービジネスの写真

本書は、「まちづくり」「まちそだて」を成功させる秘訣について、著者の経験を踏まえた解決策を提示します。地域エネルギーに取り組むにあたっての具体的な実例や考えを提示し、「うちでは無理」「あの自治体だからできた」の誤解を正します。

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著者情報

小野田弘士の顔写真

早稲田大学理工学術院大学院環境・エネルギー研究科教授

小野田弘士氏

早稲田大学理工学術院大学院環境・エネルギー研究科教授。1978年生まれ。早稲田大学大学院理工学研究科修了。博士(工学)。2003年、㈱早稲田環境研究所創業。早稲田大学環境総合研究センター講師、准教授などを経て、2017年より現職。

地域活性化につながるエネルギービジネスを検討したいが、その具体的な進め方がわからない――東日本大震災以降、地域の方々からそのような相談が多数寄せられるようになりました。講演やアドバイザーのような形で、私の経験に基づく知見を伝達してきたつもりです。

本書は、こうした活動を通して、地域のステークホルダーの皆様に知って欲しい内容をまとめたものです。私自身、冒頭の問いに対して、明確な答えを持ち合わせているわけではありません。しかし、さまざまなプロジェクトで経験した「失敗」を伝達することにより、地域にとって付加価値のある地域エネルギービジネスの原則論を伝えることができればと考えています。

本書では、「本庄スマートエネルギータウンプロジェクト」などの具体的な実例に加え、エネルギー問題を見極めるうえでの視点やスマートコミュニティへのアプローチに関する基本的な考え方も提示しています。また、専門的な知見が必要となる熱利用やバイオマス(生物資源)、地域新電力などに関しては、技術・システムを理解するうえで、最低限、必要となる知見を私なりに整理しました。したがって、この分野への「入門書」としても活用できる構成としています。

パリ協定やエネルギー小売全面自由化、災害対応など、さまざまな動きが目白押しです。今後、地域においても多種多様な取り組みが求められるでしょう。単にエネルギーの知識を深めるだけでなく、地域のメリットとともに考えていくきっかけを提供できればと思っています。