スマホでサンマが焼ける日 電気とエネルギーをシェアする未来の「新発想論」

発行年月日:2017年1月20日
発行所:masterpeace、good.book編集部

執筆者:江田健二

スマホでサンマが焼ける日 電気とエネルギーをシェアする未来の「新発想論」の写真

本書は、IoTとも密接な関係を持つ電力とエネルギーの未来を、ワイヤレス給電、EV(電気自動車)、ドローン、ビッグデータ、蓄電池、エネルギーハーベスティング、VPPといった最新テクノロジーの話題とからめながら解説する内容の一冊です。

著者インタビュー

著者情報

江田健二の顔写真

一般社団法人エネルギー情報センター

理事 江田健二氏

「環境・エネルギーに関する情報を客観的にわかりやすく広くつたえること」「デジタルテクノロジーと環境・エネルギーを融合させた新たなビジネスを創造すること」を目的に執筆/講演活動などを実施。富山県砺波市出身、慶應義塾大学経済学部卒業後、アンダーセンコンサルティング(現アクセンチュア株式会社)に入社。現在は、一般社団法人エネルギー情報センター理事、一般社団法人エコマート運営委員、RAUL株式会社 代表取締役等。

子供の頃、漫画・アニメの「ドラえもん」を読んだり見たりしたことのある方で、「ああ、本当にタイムマシンがあったらなあ」と夢見た方は、たくさんいらっしゃると思います。未来の便利な道具で、いつも主人公のび太を助けてくれるドラえもん。そのストーリーの楽しさは、この作品が世に出てから40年以上たった今も変わりません。

もし、あなたがタイムマシンに乗って未来を見てくることができたとしたら、あなたの生き方や考え方にどんな影響を与えるでしょうか。おそらく多くの人が、「よし、10年先を読んで今のうちにこうしておこう」という発想になり、今の私たちの暮らし方や生き方、働き方、考え方も様々な面で変わるのではないでしょうか。よく「人間、今この瞬間を生きることが大切だ」と言われますが、同時に「先を読む」ことも大切です。

特にビジネスにおいても「先を読む」ということは非常に重要です。10年後の世の中のトレンドを知ることができれば、ビジネスに先手を打つことができるからです。歴史に名を残す偉大な経営者や実業家は、皆この「時代を読む力」が備わっていた、と評されることも多々あります。

この度この本を書いたのは、「電気とエネルギーのこれから」に目を向けることで、まるでタイムマシンに乗って未来の世界を知ることができるように、「これからの世界の変化、大きな流れが見えますよ」ということをお伝えしたかったからです。

なぜ電気とエネルギーのこれからを見ることで未来が見えるのか?それは、電気・エネルギー業界が今、50年に1度の大転換期を迎えているからです。通信業界における大転換期が、Windows95が発売された19995年以降の20年間だとすると、エネルギー業界の大転換期は、電力小売り全面自由化が始まった2016年以降の20年間です。この先20年で、私たちが経験してきたインターネット革命、通信革命に匹敵する(またはそれ以上の)劇的な変化がきっと起こるはずです。

本書は、どの章からでも興味のある所から、また知っている単語が出ているパートからでも読み進められます。電気・エネルギーの話は、この分野にあまり馴染みのない人にとっては、最初は少しとっつきにくく、分かりにくいかもしれません。したがって本書では、専門的、技術的なトピックをできるだけわかりやすく面白く読めるよう工夫してみました。

本書があらゆる世代、様々な仕事に携わる方々にとって新しい価値観、暮らし方のヒントになれば幸いです。