廃炉とは何か もう一つの核廃絶に向けて
2022年8月9日
岩波書店
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福島原発事故から一〇年余、事故炉の廃炉は可能か。海外の例も参照しつつ論じ、廃炉の人類史的意味を指摘。
著者情報
1987年米国イリノイ州生まれ、マサチューセッツ州ベルモント在住。
1978年生まれ。東京大学大学院人文社会研究科修士課程修了。文部科学省長期留学生派遣制度により、モスクワ大学文学部大学院に留学。その後、民間シンクタンクでロシア・北東アジアのエネルギー問題を中心に調査。2011~2012年に「子ども・被災者支援法」策定のための与党PT・政府WTに有識者として参加。2019年から民間の専門家、ジャーナリストによる「廃炉制度研究会」を主宰。著書に『チェルノブイリという経験』(岩波書店、2018年)ほか、編著書に『原発「廃炉」地域ハンドブック』(東洋書店新社、2021年)。
解説/内容
福島原発事故から一〇年余り、政府・東電は「四〇年廃炉」に向け着実に進行中と言うが、そもそも事故炉の廃炉とは何をすることで、一体それは可能なのか。スリーマイルやチェルノブイリの例も参照しながら論点を提示する。あわせて、大量廃炉時代に突入した今、老朽原発を含めた原発廃炉のもつ人類史的重要性を指摘する。
本書のコンセプトと構成/目次等
- 序章 不可解な廃炉スケジュール――福島第一は四〇年で第二は四四年?
- 第1章 「廃炉」は何を目指すのか コラム 世界はすでに大量廃炉時代
- 第2章 「四〇年廃炉」スケジュールはどうやって組み立てられたか
- 第3章 素通りされたスリーマイルの教訓 コラム 協定の力で汚染水放出を止めたスリーマイルに学べ
- 第4章 知られざるチェルノブイリの知恵
- 第5章 危うい現在地から問う「廃炉とは何か」
- 終章 「もう一つの核廃絶」に向けて