「じぶん電力」、プラン契約者が自分で再エネ電力の発電と利用をする仕組み

2016年08月08日

一般社団法人エネルギー情報センター

新電力ネット運営事務局

「じぶん電力」、プラン契約者が自分で再エネ電力の発電と利用をする仕組みの写真

前回のコラムでは、新電力会社における環境配慮について見てきました。今回のコラムでは、日本エコシステムによる「じぶん電力」を参考に、電気料金プランによって再生可能エネルギーの普及を促す事例について見ていきたいと思います。

自宅の屋根に太陽光パネルをつける料金プラン

近年、FITの影響もあり太陽光発電の導入が急速に進んでいます。この太陽光発電ですが、電力自由化が始まり、その価値を新しい形で提供するサービスも出てきております。ここでは、その事例として日本エコシステムが提供する「じぶん電力」について見ていきたいと思います。

日本エコシステムは、電力自由化の始まる前から太陽光発電の販売・施工実績がある企業です。住宅用だけではなく、工業施設や産業用物件・幼稚園など幅広い実績があり、2016年1月時点では36,000棟を超える施工実績を持ちます。

こうしたバックグラウンドを活用した料金プラン「じぶん電力」は、プラン申請者の屋根に太陽光発電を設置し、その電力をプラン申請者自身で利用してもらう仕組みとなっています。

太陽光パネル設置の初期費用は0円

太陽光パネルは非常に高価であるため、簡単には手を出せる商品ではありません。「じぶん電力」は太陽光パネルを自宅の屋根に設置し、自分自身で利用する仕組みですが、それでは初期費用をどうするか、といった問題が出てきます。一般的な家庭の屋根であれば、太陽光発電の設置には数百万円必要なケースが多いですが、電気料金プランの切り替えでそうした規模の初期費用はハードルが高いです。

電気料金プランの変更において、ハードルが高いというのは望ましくないです。新電力企業にとっては、自社の電気料金プランをたくさんの人に選んでもらえなければ、企業としての存続にも関わります。そこで、日本エコシステムは太陽光設置の初期費用を無料にするというスキームを開発しました。そうすることで、電力の需要家は料金プランの変更という気軽なアクションで太陽光発電の魅力を実感することができ、かつ日本エコシステム自身も利益を生みやすい構造を作りました。

「じぶん電力」の利用者は太陽光発電を設置する価格が0円なので、これはつまり費用負担は日本エコシステムが負うこととなります。そのため、長期にわたる電気料金の収入で、日本エコシステムは収益を上げる形です。

契約が20年間続くと、太陽光パネルはプラン契約者のものに

「じぶん電力」を20年間利用すると、太陽光発電システムはプラン契約者に無償譲渡されます。つまり、20年間という期間が必要ですが、プラン契約者は初期費用をかけることなく太陽光発電システムを手に入れることができます。

ただし、20年未満の途中解約の場合、契約経過年数に応じた価格で太陽光発電設備を買い取ることが必要です。買い取り価格は、設備の償却年数に伴い年々下がっていく仕組みとなります。

20年の契約期間中のメンテナンス費用は日本エコシステムが負担

20年間の契約期間中の設備のメンテナンス・交換の費用はすべては日本エコシステムが負担することとなっています。太陽光発電設備の状態は、NTTスマイルエナジーが提供する太陽光発電遠隔モニタリングサービス「エコめがね」にて監視されます。 遠隔監視で24時間365日モニタリングしているので、万が一の故障にもすばやく対応できる体制が整えられています。

ただし、契約者による屋根の塗り替え・外壁の塗り替え等に関わる費用は契約者自身の費用負担となります。

夜間の電力供給はエネットが担当

太陽光による電力が見込めない夜間などは、新電力会社のエネットから調達した電力を供給する仕組みとなっています。そうすることにより、プランの利用者は天気が悪いときでも安定した電力供給を受けることができます

電力自由化で生まれた環境貢献サービス

この続きを読むには会員登録(無料)が必要です。

無料会員になると閲覧することができる情報はこちらです
電力の補助金

補助金情報

再エネや省エネ、蓄電池に関する補助金情報を一覧できます

電力料金プラン

料金プラン(Excel含)

全国各地の料金プラン情報をExcelにてダウンロードできます

電力入札

入札情報

官公庁などが調達・売却する電力の入札情報を一覧できます

電力コラム

電力コラム

電力に関するコラムをすべて閲覧することができます

電力プレスリリース

プレスリリース掲載

電力・エネルギーに関するプレスリリースを掲載できます

電力資格

資格取得の支援

電験3種などの資格取得に関する経済支援制度を設けています

次の記事:暮らしを豊かにする電力サービス、IoTがもたらす新電力事業の新たな可能性

前の記事:新電力における環境配慮を考える、各施策の概要と今後の展望

はてなブックマークGoogle+でシェア

執筆者情報

一般社団法人エネルギー情報センターの写真

一般社団法人エネルギー情報センター

新電力ネット運営事務局

EICは、①エネルギーに関する正しい情報を客観的にわかりやすく広くつたえること②ICTとエネルギーを融合させた新たなビジネスを創造すること、に関わる活動を通じて、安定したエネルギーの供給の一助になることを目的として設立された新電力ネットの運営団体。

企業・団体名 一般社団法人エネルギー情報センター
所在地 東京都新宿区新宿2丁目9−22 多摩川新宿ビル3F
電話番号 03-6411-0859
会社HP http://eic-jp.org/
サービス・メディア等 https://www.facebook.com/eicjp
https://twitter.com/EICNET

関連する記事はこちら

リチウムイオン電池負極の容量が10倍に、日本の技術ベンチャーが開発、320mAh/gから3600mAh/gへの写真

一般社団法人エネルギー情報センター

2018年08月21日

新電力ネット運営事務局

リチウムイオン電池負極の容量が10倍に、日本の技術ベンチャーが開発、320mAh/gから3600mAh/gへ

日本の技術ベンチャーであるワイヤード社は7月、リチウムイオン電池の新素材の実用化技術を開発したと発表しました。革新的なレーザー孔加工技術により、理論容量10倍の負極材料の活用が可能になるとしています。

世界最大級、1万kWの水素製造装置が建設開始、2020年までに再エネで水素製造・供給予定の写真

一般社団法人エネルギー情報センター

2018年08月15日

新電力ネット運営事務局

世界最大級、1万kWの水素製造装置が建設開始、2020年までに再エネで水素製造・供給予定

NEDOなどは8月9日、福島県浪江町において、再エネを利用した世界最大級となる1万kWの水素製造装置を備えた水素エネルギーシステム「福島水素エネルギー研究フィールド」の建設工事を開始したと発表しました。

グローバル規模で進む温暖化対策、注目される技術やこれからの新規事業の写真

一般社団法人エネルギー情報センター

2018年07月24日

新電力ネット運営事務局

グローバル規模で進む温暖化対策、注目される技術やこれからの新規事業

経済産業省は7月、「平成29年度新エネルギー等の導入促進のための基礎調査」を公表しました。パリ協定によりグローバル規模で温暖化対策が求められていますが、注目技術や新規事業について見ていきます。

注目が集まるデジタル技術の活用、 エナリスが進める電力×デジタルの取り組みの写真

一般社団法人エネルギー情報センター

2018年07月02日

新電力ネット運営事務局

注目が集まるデジタル技術の活用、 エナリスが進める電力×デジタルの取り組み

技術進歩が「電力×デジタル」の価値を日々高める中、ブロックチェーン活用への期待が高まっています。今回の記事では、「ブロックチェーンを活用した電力取引サービス」の検証を進めている株式会社エナリスの南昇氏と盛次隆宏氏に話を聞きます。

海洋エネルギー発電の資源量が分かる「海洋エネルギーポテンシャルマップ」、九州大学など公開の写真

一般社団法人エネルギー情報センター

2018年06月20日

新電力ネット運営事務局

海洋エネルギー発電の資源量が分かる「海洋エネルギーポテンシャルマップ」、九州大学など公開

九州大学は6月、みずほ情報総研や鹿児島大学と協力し、日本の海洋エネルギー発電に資する資源量分布図「海洋エネルギーポテンシャルマップ」を開発したと発表しました。公開されたポテンシャルマップは、「波力発電・潮流発電・海流発電・海洋温度差発電」の4種類が対象となっています。