電気料金の今後について、送配電事業の中立性と意義、2028年の第2規制期間を見据えた今後の行く末
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一般社団法人エネルギー情報センター

日本の電力システムを支える「レベニューキャップ制度」について、2023年の導入から現在に至る託送料金改定の動向と、インフレや発電側課金といった最新の環境変化を解説します。また2028年の第2規制期間を見据えた今後の行く末を展望していきます。
託送料金新制度「レベニューキャップ」の基本構造
日本の電力システムは今、カーボンニュートラルの実現とエネルギー安全保障の強化という二大命題に向けた、歴史的な転換点に立っています。この変革を支える基盤となるのが、2023年度(令和5年度)から導入された託送料金の新制度「レベニューキャップ制度」です。
送配電事業者のレベニューキャップ制度は、2023年4月の導入以来、日本の電力市場における安定供給とコスト効率化の両立を担う中核的な仕組みとなりました。大枠としては、一般送配電事業者が5年間にわたって得られる収益の総額(収入上限)を国が事前に承認する制度です。
大きな目的として、従来の「総括原価方式」が抱えていた「コストをかければ利益が増える」という構造を打破し、事業者に自発的な効率化を促すとともに、浮いたコストを託送料金の引き下げ(=消費者のメリット)に還元することを目指しています。2023年度から2027年度までの5年間を「第1規制期間」として運用が開始されました。
ただし本制度の主眼は、単なる料金の算定ルールの変更に留まりません。その真の目的は、再生可能エネルギーの主力電源化に向けた系統増強、激甚化する自然災害に対するレジリエンス(回復力)の強化、そして高度経済成長期に集中的に整備された設備の老朽化対策という、膨大な資金を要する課題に対し、送配電網への投資を確実かつ効率的に実行させることにあります。
従来の「総括原価方式」では、かかった費用に一定の報酬を乗せて料金を回収する仕組みであったため、事業者の効率化意欲が働きにくいという課題がありました。対するレベニューキャップ制度は、一般送配電事業者が策定した5年間の事業計画に基づき、あらかじめ必要となる費用の総計を「収入の見通し(レベニューキャップ)」として国が承認する「事前承認制」を採用しています。事業者はこの承認された上限の範囲内で託送料金を設定し、5年間の規制期間中に経営努力による効率化を競うことになります。
この制度の公平性を担保するのが、経済産業大臣および「電力・ガス取引監視等委員会(以下、委員会)」による厳格な審査プロセスです。委員会は、高度な専門的知見を有する有識者と常設の事務局で構成されており、事業者から提出された膨大な投資計画に対し、中立的な立場からその妥当性を精査します。この重層的なチェック体制こそが、国民負担の抑制とインフラ投資の両立を可能にする制度的根拠となっています(図1)。

図1 レベニューキャップ制度について 出典:経済産業省
第1規制期間の開始と初期の託送料金設定
2023年度から始まった第1規制期間において、各一般送配電事業者は、向こう5年間の詳細な事業計画を策定しました。この計画には、将来の電力需要予測、再エネ接続のための系統補強計画、さらにはデジタル技術を活用した次世代の保守運用体制の構築といった、野心的な投資項目が網羅されています。
日本の送配電網は、日本地図に示される通り、北海道から沖縄まで10のエリアに分かれていますが、それぞれの事業者が管轄する地域特性は大きく異なります。北海道・東北エリアは広大な土地を有し再エネ導入の適地が多い一方、過疎地の配電網維持や大需要地への長距離送電が大きなコスト要因となります。
一方で東京・関西エリアは過密な都市部における高密度な需要に応えるための高度な設備管理が求められ、地価や労務費の高さが投資額に反映されます。また中部・北陸・中国・四国・九州・沖縄エリアは、それぞれの製造業の集積度、台風等の自然災害リスク、離島供給といった独自の課題を抱えています。
第1規制期間の初期設定においては、これらの地域特性を反映した個別の事業計画に基づき、法律(電気事業法)の規定に則って算定された費用が積み上げられました。委員会は、各社の計画が「過大投資」になっていないか、あるいは「必要な更新」を怠っていないかという両面から、緻密な審査を実施しました。このプロセスを経て、日本の電力インフラを維持・高度化するための「合理的かつ現実的なコスト」が初めて公に定義されました(図2)。

図2 収入の見通しの決定方法 出典:経済産業省
2024年4月の劇的な環境変化と「期中調整」の実施
レベニューキャップ制度の原則は「5年間一定の収入上限」ですが、制度にはエネルギー情勢の変化等に対応するための「期中調整」が組み込まれています。2024年4月、導入からわずか1年でこの調整が実施された背景には、2022年度の極めて厳しい需給逼迫と、ロシア情勢等による燃料価格の高騰という外生的なショックがありました。委員会が今回の期中調整を「妥当」と判断した根拠は、以下の4点に集約されます。
- エ燃料価格高騰と需給逼迫対策費:2022年度のロシア・ウクライナ情勢等によるエネルギー危機を受け、送配電事業者は「需給調整」のために休止電源の再稼働や燃料の共同調達を実施しました。これらの費用は当初の5カ年計画には含まれておらず、2024年度以降の託送料金に上乗せする形で回収が認められました。
- 発電側課金の導入(構造的変更):2024年4月から、これまで需要家(消費者)が100%負担していた託送料金の一部(約10%)を発電事業者が負担する仕組みが始まりました。これに伴い、収入上限の見直しが行われました。
- 物価高騰・資材価格の上昇:送配電網の維持には、鉄塔や電線、変圧器といった膨大な資材が必要です。世界的なインフレと円安の影響で、これらの調達コストが当初の想定を大幅に上回りました。事業計画が維持できなくなるリスクを避けるため、経済産業省は一定の物価上昇分を価格に反映できるルールの柔軟化を進めています。
- 賃上げと施工力の確保:政府が主導する賃上げの流れを受け、送配電設備のメンテナンスや工事を担う協力会社への「労務費」の上昇も深刻です。熟練工の離職を防ぎ、安定供給を維持するためには、適切な外注費の支払いが不可欠であり、これがコスト増を招いています。
これによって、地域によって差がありますが、多くの地域で数%程度の変動が生じました(図3)。ロシア情勢といった外的要因やCPI(物価)変動、また2024年4月からは発電事業者も、一部の託送料金(発電側課金)を一般送配電事業者に対して支払う制度(発電側課金)が導入されたことも背景にあります。

図3 電力託送料金の変更を踏まえた電気料金 出典:経済産業省
発電側課金の導入:負担構造の抜本的見直し
2024年4月の改定における最大の目玉は「発電側課金」の導入です。これは、従来、小売電気事業者が100%負担していた送配電網の維持費用を、系統を利用する発電事業者にも一部負担させるという、電力市場のルールを根底から変える改革です(図4)。
導入の目的
効率的な立地誘導:需要地から遠く、長大な送電線の増強が必要な地点への立地にはコストがかかることをシグナルとして発信し、系統増強コストが小さい地点への誘導を図ります。
エリア間負担の平準化
再エネの好立地に発電所が集中すると、その地域の需要家(小売)だけが系統増強コストを負担することになります。発電側に課金し、そのコストを電力卸価格に転嫁させることで、他エリアの消費地(東京など)の需要家も公平にコストを分担する仕組みへと転換しました。
課金構造と消費者への影響
負担割合は「小売90:発電10」へと移行しました。電気料金全体における位置づけとしては、凡そですが一般的な家庭用料金(約30円/kWh)のうち、託送料金は約30%(9円前後)を占めます。発電側課金はその託送料金の約10%を構成するため、電気料金全体への直接的な影響は約3%程度に収まります。そのため、標準的な家庭では月額数十円程度の変動と試算されています。
配慮措置と公平性
急激な制度変更による混乱を避けるため、特定の電源には猶予・割引が設定されています。FIT/FIP認定電源:2023年度以前に認定された電源は、買取期間(または交付期間)が終了するまで課金が猶予されます。また割引制度によって、送配電網の増強が不要な地点、あるいは需要地近傍に立地する発電所には割引が適用され、効率的な立地を促します。

図4 発電側課金導入について 出典:経済産業省
2025年10月以降の更なる改定
2回目の期中改定としては、2025年10月からの託送料金改定が挙げられます。これらを先行して実施したのは、主に北海道電力ネットワークと東北電力ネットワークの2社です。これに伴い、当該エリアでの電力販売価格について、各社が順次電気料金への転嫁を発表しました。
- 北海道エリア: 2025年10月1日より託送料金および電気料金を改定
- 東北エリア: 2025年10月1日に送配電側の託送料金が変更。小売側の電気料金は11月1日使用分から反映する例が多い
改定の主因:資材高騰と労務費の反映
2025年の期中改定は、主に以下の2つのコスト増を「収入の見通し」に上乗せしたものです。急激な資機材価格の高騰: 第1規制期間の算定時(2022年頃)の想定を超えた円安やインフレにより、変圧器や電線といった送配電設備の維持・更新に必要な資材コストが大幅に上昇しました。
また労務費(賃上げ)への対応も挙げられます。 「2024年問題」に伴う建設・物流業界の人手不足や、政府が主導する構造的な賃上げの流れを受け、送配電網の保守・工事を担う現場作業員の労務単価を引き上げる必要が生じました。これを託送料金で手当てしなければ、安定供給の維持(停電防止など)が困難になるという判断がなされました。
レベニューキャップ制度としての位置づけ
この改定は、制度上の「期中改定」として処理されています。本来、レベニューキャップ制度は5年間の収入上限を固定することで事業者に効率化を促すものですが、今回のように「事業者の努力ではコントロールできない急激な経済変動」が生じた場合には、期中であっても上限の修正が認められる仕組みになっています。ただ、本来の主旨としては5年間は想定価格からの事業費増減によって事業収益のインセンティブを与える制度であったにも関わらず、毎年のように託送料の変更が行われているため、今後は殊更に厳密に委員会には審査いただきたいと考えている電力関係者も多いものと想定されます。
| 時期 | 改定の主な名目 | 対象 |
| 2023年4月 | 制度開始(第1規制期間) | 全10社 |
| 2024年4月 | 発電側課金導入・需給逼迫対策費の回収 | 全10社 |
| 2025年10月〜 | 物価高騰・労務費(人件費)の上昇反映 | 東北電力や北海道電力 |
送配電事業者による効率化と投資の適正化への取り組み
レベニューキャップ制度の真髄は、事業者に強力な「効率化のインセンティブ」を与える点にあります。本制度では、諸外国の規制事例も参考にしつつ、実績費用が見通しを下回る効率化を達成した場合、その利益の50%を事業者が保持し、残りの50%を次期以降の料金引き下げ原資として需要家に還元する仕組みを採用しています。これにより、コスト削減がそのまま事業者の収益向上(プロフィットセンター化)につながるパラダイムシフトが起きました。
現在、送配電網協議会では、2026年度および2027年度に向けた「合理的かつ現実的な投資量の見直し」を加速させています。送配電事業者が進める投資の効率化の具体的な事例として、大きく「投資量そのものを減らす取り組み」と「投資額(工事費など)を削減する取り組み」の2つのアプローチが挙げられています。
効率化施策の横展開として、10社の中で成功した低コストな保守手法や新技術を他社へも積極的に波及させ、業界全体でのボトムアップを図っています。
またデジタル技術の社会実装:AIによる故障予兆検知や、ドローン・センサーを活用した巡視の自動化により、労務費上昇の影響を相殺する高度な効率化を追求しています。投資の優先順位付けとしては、物価上昇による設備単価の高騰を受け、真にレジリエンス強化に資する投資を厳選するプロセスが、事務局の厳正な進捗確認のもとで進められています。具体的な事例は以下の通りです。
投資量を抑制する効率化事例
既存の設備や運用を見直し、必要となる設備量自体を削減する取り組みです。
送電設備
長径間化・高鉄塔化: 鉄塔を建て替える際、元の場所ではなく現地の環境を踏まえた別ルートにし、鉄塔の間隔を長くしたり高くしたりすることで、全体の鉄塔基数を削減します。
設備のスリム化: 最新の需要動向を踏まえ、周辺系統も含めた合理的な設備形成や運用方法の工夫を行い、設備を削減します。
変電設備
撤去機器の流用: 再エネの連系増加や発電所の連系廃止などに伴って撤去された「経年の浅い機器」を、劣化状態を確認した上で他の電気所の設備更新などに使い回し(移設流用)、新しく購入する数量を抑えます。
設備のスリム化: 周辺の需要動向を考慮した運用の見直しにより、変圧器の負荷が減少している場合などには「更新」ではなく「撤去」と判断し、変圧器の数を削減します。
配電設備
設備のスリム化(バンク統合など): 柱上変圧器を更新する際、単に同じ容量のものに取り替えるのではなく、最新の需要動向を踏まえて複数の変圧器をまとめ、代わりに低圧線を新設することで変圧器の総量を減らします。
また、コンクリート柱の建替時に別位置への建替を交渉して仮柱を抑制したり、不要になった電柱を撤去して本数を削減したりします。
期待年数の見直し: 撤去した地中ケーブルなどを収集して絶縁性能試験などの技術的な検証を行い、故障に至るまでの期待年数を従来よりも長く(延伸)見積もることで、更新工事のペースを抑えます。
投資額(コスト)を抑制する効率化事例
新技術の導入や工法の見直しなどにより、工事にかかる費用や工期を削減する取り組みです。
送電設備
航空レーザを活用した三次元地形測量: 従来の現地測量に代わって航空レーザ測量を採用し、ルート検討や調査にかかる工期の短縮やコスト削減を図ります。
基礎工事へのメッシュ型枠導入: 鉄塔の基礎工事で従来の木製型枠の代わりにメッシュ型枠を導入し、工期の短縮や掘削幅の減少によるコストダウンを図ります。
変電設備
DX技術による現地対応の効率化: 可搬式のWebカメラなどを活用して、事務所にいながら現地の工事状況を確認できる遠隔立会を導入し、社員の移動にかかる旅費や立会日数を削減します。
既設基礎の流用: 状態や健全性を確認し、更新後の設備重量に耐えられると判断された場合は、既設の基礎をそのまま流用して工事費を削減します。
配電設備
無電柱化工事における地上配線工法: 車両や人が常時通行しない山地などの限定された場所において、地中ではなく地上(擁壁上部など)に電線路を設置する工法を採用し、掘削工事費の削減と工期の短縮を図ります。
引留グリップの適用: 高圧線を固定する部材を、従来の「引留クランプと絶縁カバー」の組み合わせから、電線被覆の剥ぎ取り作業が不要な「引留グリップ」に変更し、施工性の向上とカバー不要化によるコスト削減を図ります。
点検等の合理化: 工事期間中や完工時の点検頻度の見直し、試験項目の厳選により、工数や現地対応を削減します。

効率化事例 出典:経済産業省
レベニューキャップの意義
まず、委員会の整理において、レベニューキャップ制度の本来の目的は「単なる価格競争」ではなく、「必要な投資の確保(再エネの主力電源化やレジリエンスの強化など)」と「コストの効率化」を両立させることであるとされています。送配電システムを維持し、安定供給を担保しながら事業者の創意工夫による効率化を促すことが制度の趣旨とされています。
ただし現在、値上げ方向に議論が向かっています。その理由としては現在、費用の上乗せ(値上げ方向)が議論されているのは、現行の制度がここまでの急激な物価、労務費、金利の上昇を想定して設計されていなかったためです。 委員会では、こうした想定外の外部環境の変化を料金に反映させることは、「事業者の救済」が目的ではなく、送配電システムの維持や日本の経済を支える安定供給のために不可欠な判断(必要な費用である)として整理されています。
「値上げのみ」を容認するわけではない仕組み(下振れ時の返還)
一方で、委員会ではこの仕組みが「値上げの方向のみ」に働くことへの釘も刺されています。事後的な調整や自動的な料金反映の仕組みを導入する以上、上振れした分を補填するだけでなく、仮に想定より費用が下振れした(安く済んだ)場合には、もらい過ぎた分に金利をつけて消費者へ「返還」する仕組みなど、両面での対応(プラス・マイナスの調整)が必須であると強く指摘されています。
つまり、用の追加反映を認めるからといって、本来の目的である効率化をおろそかにしてよいわけではなく、「最大限の効率化への努力は忘れてはならない条件」として事業者に釘を刺しています。
これに対し、一般送配電事業者も、新しい工法や新技術(DXなど)の導入を通じて、投資量と投資額の両面から最大限の効率化に取り組む姿勢を示しています。また、いたずらに価格転嫁が進んで料金が上がりすぎることは望ましくなく、消費者の家計への重圧が激変とならないよう配慮し、安定供給の持続と料金抑制のバランスが取れる制度にしていくべきだと議論されています。
第2規制期間に向けた今後の課題と展望
制度は既に、次なる5年間(2028年4月開始の第2規制期間)を見据えた議論へと移行しています。現在の最大の焦点は、激変するマクロ経済環境への適応です。
主要な検討論点
段階的な託送料金の設定: 「5年間一律」の原則は事業の見通しを立てやすくする一方、現在の物価・労務費・金利の激しい変動に対しては硬直的すぎる懸念があります。そのため、期間中に段階的に料金を変動させる案が浮上しています。
事業報酬率の見直し: 送配電事業への投資を促すためには、適切なリターン(事業報酬)が不可欠です。公社債利回りの変動を報酬率にどう反映させ、投資意欲の維持と需要家負担の抑制をどうバランスさせるかが、制度設計の肝となります。
物価上昇への対応: 資材価格の高騰は事業者の努力の範疇を超える「外生的要因」です。これをどのように料金に反映させるか、事務局による厳格な審査基準の策定が急がれています。今後のスケジュールとしては、第1規制期間の折り返し地点となる現在から、これらの論点の具体化が進められ、次期規制期間の「収入の見通し」の策定へと繋がっていきます。

今後の想定スケジュール 出典:経済産業省
強靭かつ効率的な電力インフラの構築に向けて
レベニューキャップ制度の導入と託送料金の変遷は、単なる事務的な料金改定ではありません。それは、日本のエネルギー政策が「安定供給の維持」という受動的なフェーズから、「カーボンニュートラルとレジリエンス強化を能動的に勝ち取る」フェーズへ移行したことを象徴しています。
発電側課金による負担の適正化や、期中調整による機動的な対応、そして事業者の効率化意欲を引き出すインセンティブ構造。これらはすべて、日本の経済社会を支える電力インフラを、強靭かつ持続可能なものにするための精緻な設計図の一部です。
また、あらゆる事業は原則として、利益創出および業界全体の持続性の維持、また独占禁止や不当廉売(ダンピング)などのバランスを見ながら、国がバランサーの役割を果たしつつも、業界全体や各社の努力によって発展させていく必要があります。電力は送電のみではなく、発電や小売りもあり、電力自由化によってみなし小売電気事業者は分社化されましたが、現在は自由化から10年経過してもいまだに新電力のシェアは半分にも満たない状況です。
こうした中、みなし小売電気事業者は業界全体の原価構造などを考慮し、価格形成を図っていく必要があります。今後CPIが伸びていく事が想定される中、過去の松永安左エ門氏のように、顧客の反発は想定されますが、値上げ等を送配電事業のように「必要であれば」実施していく必要があると考えられます。また自由化によって選択肢が増えた今、需要家各社の経営努力等によって、電気料金の価格帯を押し下げられるような基盤を作っていく必要があります。特に独占率が高い状態の時期においては、それが業界の健全性を高め、全体の経済を発展させていく事に繋がると考えられます。
今後、デジタル技術の深化と規制制度の高度化が相まって、電力インフラはさらなる進化を遂げるでしょう。透明性の高い審査プロセスを通じて国民の理解を得つつ、事業者がたゆまぬ効率化と適正な投資を継続すること。その積み重ねこそが、次世代に手渡すべき日本のエネルギー安全保障の盤石な礎となると想定されます。
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一般社団法人エネルギー情報センター
上智大学地球環境学研究科にて再エネ・電力について専攻、卒業後はRAUL株式会社に入社。エネルギーに係るITを中心としたコンサルティング業務に従事する。その後、エネルギー情報センター/主任研究員を兼任。情報発信のほか、エネルギー会社への事業サポート、また法人向けを中心としたエネルギー調達コスト削減・脱炭素化(RE100・CDP等)の支援業務を行う。メディア関連では、低圧向け「電気プラン乗換.com」の立ち上げ・運営のほか、新電力ネットのコンテンツ管理を兼務。
| 企業・団体名 | 一般社団法人エネルギー情報センター |
|---|---|
| 所在地 |
〒160-0022 東京都新宿区新宿2丁目9−22 多摩川新宿ビル3F |
| 電話番号 | 03-6411-0859 |
| 会社HP | http://eic-jp.org/ |
| サービス・メディア等 | https://price-energy.com/ |
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