日本の森林資源

  • 更新日:2020/08/28

所属:高知工科大学

インターン生:Y.Wさん

日本の森林資源の写真

普段、私たちが利用している木材は林業によって採集され、加工されています。日本の森林資源と林業はどのような現状なのでしょうか。日本の森林資源を最大限に活用するためには何が必要なのかを考えていきたいと思います。

日本の森林資源

日本の森林の割合は国土の約3分の2で、そのうちの約5割が天然林で残りは人工林が約4割とその他の無立木や竹林が約1割を占めていて、先進国の中では有数の森林国なのです。たしかに、日本の特に地方では周りを見渡すと森林が見られます。さらに、この森林面積は過去40年を通して増減はないため、森林蓄積は増加しています。森林蓄積とは、樹木の体積のことで、木が成長すればするほど大きくなっていくもののことです。

つまり、森林蓄積が増加すると、木の幹が大きくなり、使用できる木材が増えていくのです。日本の場合、過去40年で森林面積が変化せず、森林蓄積が増加していることから、森林資源はどんどん増加しているのです。しかし、その森林資源のすべてが利用できるものであるのかというとそうではなくて、日本の林業は衰退していて森林の手入れがなされておらず、森林が荒廃し、使用できる木材もすべてが健康ではないという現状があります。

日本の林業の衰退

前述したように、日本は森林大国であるのにもかかわらず、現在、日本で使用されている木材の約7割が輸入されたものです。この理由は、木材の輸入自由化によるものです。戦後に木材の需要が高まった際に、供給が追いつかなかったために外国産の木材を自由に使用することが許されたことが背景にあります。

輸入材は安価で国産材は高価であることから、日本の林業が衰退し、森林の管理が行き届かずに森林が荒廃していったのです。また、林業従事者の高齢化によって、林業がますます衰退していったのです。

林業の復活

私は、林業を復活させることが日本にとって必要なことであると考えていて、そうすることで以下のことが達成できると考えています。

1.木質バイオマス発電事業の拡大により地球温暖化の抑制

木質バイオマス発電とは、木材を燃焼することでタービンを回して発電する仕組みのことです。発電する仕組みは化石燃料を用いた火力発電と同じで、違いは燃料に木質チップや廃材、建材などを使用することです。カーボンニュートラルの特性を利用して、木材はもともと大気中の二酸化炭素を吸収しているため、これを燃焼させることによって、新たな二酸化炭素の排出が抑えられ、地球温暖化の抑制につながると考えています。

2.土砂災害、水質汚濁の解決

本来は、森林は保水、ろ過機能、土砂食い止めなどの機能を持っていますが、管理が行き届いていない森林では、間伐や枝打ちがなされておらず、木の成長が阻害されてしまっていると同時に地面にも草が生い茂っていないことや廃材の処理を行っていないことが原因で土壌流出を起こしやすくなります。これによって、先ほど挙げたような、機能を果たすことができなくて、土砂災害や水質汚濁を起こしやすくなってしまいます。そうならないように本来の機能を果たさせるには、適切な管理が必要となります。

3.中山間地域の活性化

林業は中山間地域で行うことができる産業であるため、推進することによってその地域が繁栄し、都市部との格差縮小につながると考えています。現在は、こうした地域がいくつか存在していて、各地域の独自性の発揮と自立に結びついています。

木質バイオマス発電の利用について

木質バイオマス発電は先ほど挙げたような火力発電の代替としての発電での利用よりも、家庭における燃料の代替として利用するほうが期待されています。その理由は、エネルギー変換効率にあります。木材を燃焼させて得た熱を電気に変えるよりもそのまま熱として利用したほうがはるかに効率よくエネルギーとして利用できるのです。発電するための変換効率は30%に満たないくらいであるのに対して、熱利用の場合は効率が70~85%程度であるため、はるかに効率が良いのです。木材の化学エネルギーを熱エネルギーとして取り出し、それを機械エネルギーに変化させ、さらに電気エネルギーとして取り出すには変換ロスが大きくなってしまうのです。

実際に、木材3~4㎏をストーブの燃料として利用すると、灯油1ℓに相当する発熱量を持っていることがわかっています。だから、私は、木質バイオマス発電をする際には、冬の時期にストーブへの利用が最も適していると考えています。さらに、冬は乾燥した季節であることから木材の水分が失われているため、水分を飛ばすために必要なエネルギーを小さくすることができ、効率よく発電ができることが考えられます。今後、ストーブの燃料として木質ペレットが普及することが望ましいでしょう。

林業を復活させるために

日本の林業を復活させるためには、政府が木材の輸入についての法律を定めることが必要であると考えています。そのためには、まずは各地域が動き始めることが必要であると考えています。そして、魅力ある地域づくりをすることによって他の地域がそれを取り入れ、どんどん発展させていき、最終的には、政府が林業の推進をせざるを得ないような流れを作っていく必要があると考えています。日本の林業が地球環境、安全性、活性化を担う産業であると考えています。

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エコモ博士
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