海水ウラン

海水ウランとは

海水ウランとは海水に溶けこんでいるウランのことです。海水には77種類の元素が溶存しているとされています。チタンやリチウム、コバルト、バナジウムなどレアメタルも多数存在しており、中でもウランは鉱山ウランの埋蔵量の約1000倍に匹敵する量が存在すると推定されています。

背景

1980年代から海水ウラン捕集材の研究を日本原子力研究開発機構量子ビーム応用研究部門(旧日本原子力研究所高崎研究所)が始めました。ウランのみならずレアメタルの回収としても注目されており、現在も捕集材の改良、研究が進んでいます。この研究が確立すれば、海外からの輸入依存を軽減することができます。

レアアース泥との対比

レアアース泥とは超高濃度のレアアースを含む堆積物のことをいいます。主に採取の手法とコストが異なります。海水ウランは海水に溶存するウランを捕集材を用いて回収するのに対し、レアアース泥はエアリフトという方法を用いている。エアリフトとは圧縮空気をライザー管に送り込んで泥に混ぜ、密度を軽くすることで、大水深の水圧で泥を押し上げさせる揚泥方法のことです。エアリフトは海水ウランの回収方法と比べると大掛かりで非常にコストがかかります。

捕集技術の効率化

ウランに対して親和性の高いアミドキシム基を有する繊維状の捕集材を放射線グラフト重合という技術を用いて開発してきましたが、ウラン1kgあたりの回収コストは5〜10万円であり、当時のウラン価格と比較して採算のとれる手法ではありませんでした。しかし、回収コストの大半を占める係留費を低減させるため、捕集材自体に捕集機能と係留機能を一体化させたモール状捕集材を開発し性能を約2倍向上させました。

海洋産業との連携

モール状捕集材を活用した係留方式では、捕集材芯部にフロートを組込み、海底から立ち上げています。そこで問題になるのが延縄漁、底引き網漁、刺し網漁、巻き網漁などの移動しながら行う漁法です。これらはモール状捕集材を巻き込む恐れがあります。双方の連携をしなければお互いに被害が及びます。