会計分離

会計分離とは

電力会社の送配電部門の会計を発電、小売りその他の部門から切り離し、独立させることを意味し、送配電の中立性を高め、電力自由化を促進させます。

背景

日本の電力会社の送配電ネットは一部電力自由化されて以来多数の事業者が利用する公共インフラとしての性格が強く、送配電を利用する事業者と電力会社の公正な競争を確保するため2003年の電気事業法改正の際に電力会社から会計部門ごと切り離されることになりました。

発送電分離の中の会計分離

発送電分離には、会計分離、機能分離、法的分離、所有権分離の4段階あります。機能分離とは送配電部門の所有権を電力会社に残し、運用や整備計画は中立機関である独立した系統運用機関が実施することです。法的分離とは送配電部門を分社化して別会社とすることです。所有権分離とは送配電部門を完全に別会社とし、資本関係も認めない体系です。会計、機能、法的、所有権に進むにしたがって送配電の中立性が高まります。

中立性を高める意味

会計分離を行うことで中立性を高めることができます。分離されていない状況では、送配電ネットワークをもつ電力会社が有利になるように、ネットワークを使う新規参入者に対して送電線の利用制限や料金を高くするなどの不当な扱いをする懸念が生まれます。そういった状況では新規参入が生まれにくく、電力自由化が阻まれてしまいます。そこで会計分離を行うことで、電力会社から送配電部門を引き離し、中立性を高め、新規参入しやすい環境を作ることができます。また既存の電力会社にとっても電力ビジネスが拡大し、投資が促されることが期待できます。

会計分離のメリット・デメリット

会計分離を行うことで、メリットとして、発電事業などにおける赤字を配送電事業の黒字で補填するというようなことはできないので、送電網の利用についての透明性が向上します。また、組織としての変更が少なく、私有財産と公益との調整の必要が少ないことも挙げられます。その一方でデメリットとして、同一企業内に発電、小売り、送配電部門を有するため、中立性の度合いが十分でないとの指摘があります。

今後の展望・可能性

2015年3月3日に国会に提出された「電気事業法等の一部を改正する法律案」によると兼業規制による法的分離が実施され、中立性がより高まることが予想されます。今後所有権分離の段階まで進むかどうかは法的分離が不十分だった場合、改めて議論することになっています。