天然ガスの埋蔵量

天然ガスの埋蔵量

天然ガスの埋蔵量を示す際には「確認可採埋蔵量」という指標が用いられます。それは、すでに確認されている原始埋蔵量のうち、技術的・経済的に生産可能な量のことです。

したがって技術的・経済的な状況の変化に伴い、確認可採埋蔵量も変動してきます。世界の天然ガス確認可採埋蔵量は2006年末時点で約180兆立方メートルといわれています。

可採年数

天然ガスの将来的なエネルギー供給を測るもう一つの指標として「可採年数」があります。確認可採埋蔵量を年間の生産量で割ることで、何年採掘し続けられるかがイメージしやすくなります。

これは新規ガス田の発見、生産技術の向上、天然ガス価格の上昇などの増加要因や、生産による埋蔵量の減少、天然ガス価格の下落等の減少要因から毎年変動します。2012年末時点で天然ガスの可採年数は約56年(BP統計2013版)とされています

世界の埋蔵量

世界における天然ガスの埋蔵量ランキングはイランとロシアが一位を争っています。次いでカタール、トルクメニスタン、アメリカ、サウジアラビア、UAEと続きます。

全埋蔵量の約40%は中東に集中しています。しかし半分近くが中東に集中している石油と比べると、比較的天然ガスの生産地は広く分散しているといえます。東南アジアやアフリカからも採掘されます。

日本の埋蔵量

日本では南関東にガス田があり、ここでの埋蔵量が国内の9割を占めています。しかし埋蔵される地層が比較的浅いため天然ガスの採掘による地盤沈下の恐れがあり、人口密集地域では採掘が規制されているため、大規模な開発はできないというのが現状です。

海外の動き

近年の開発技術の進歩により、従来では採掘困難と考えられてきた非従来型天然ガス資源の開発を進める機運が高まっています。その動きはアメリカ、カナダ、中国、オーストラリア、東ヨーロッパ等世界各国にわたります。これらの埋蔵量に関しては従来型天然ガスを大きく上回ると予想されています。

将来の展望と課題

新興国の発展やフクシマ後の原子力発電所の閉鎖により天然ガス消費量は世界規模で増え続けています。こうした需要をまかなっていくには、埋蔵されている天然ガスだけでは明らかに足りません。したがって、非在来型天然ガス資源の開発を視野に入れた技術革新が今後の課題であると考えられます。

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