天然ガス

天然ガスとは

天然ガスは地層内の石油が地熱などで温められて気化した化石燃料です。インドネシア、オーストラリア、マレーシア、ブルネイ、カタール等の油田地帯やガス田地帯から産出されます。その主成分はNH4(メタン)で、有害な一酸化炭素を含まないためクリーンなエネルギーといわれています。

背景

天然ガスがクリーンなエネルギーと言われる所以は、不純物をほとんど含まないからです。天然ガスはタンカーで輸送される際、液化されて体積を1/600に減らした状態運ばれます。採掘された時点では天然ガスにはCO2やH2S(硫化水素)といった不純物が含まれていますが、輸送前に液化天然ガス(LNG)に加工する際に塵の除去、脱硫、脱水、脱湿などの前処理によりこれらは除去されます。こうした工程を経て天然ガスはクリーンなエネルギーとなるのです。

石炭・石油との違い

天然ガスは石炭・石油と比べて、環境への負荷が少ない点が大きな違いです。例えば石炭を100とした場合のCO2(二酸化炭素)、NOx(窒素酸化物)、SOx(硫黄酸化物)の各排出量は、石油がそれぞれ80、70、70であるのに対し、天然ガスは60、40、0です。また天然ガスは燃焼時だけでなく採掘・加工・輸送等の各段階での排出量を含めても、化石燃料の中で最もCO2排出量が少ないエネルギーです。天然ガスを使えばSOxや煤塵は発生せず、地球温暖化を招くCO2や、大気汚染や酸性雨の原因となる NOxの発生も石炭や石油と比べて格段に少なくなります。

安定・安全性

天然ガスの埋蔵地域はロシア、東南アジア、アフリカ等に広く分布しており、中東への依存度が低いことが特徴です。また埋蔵量自体も豊富で現在も新しいガス田が発見されているので、価格競争力のある安価なエネルギーを安定して供給することができます。また、天然ガスは空気よりも軽いので、万が一ガス漏れが生じた時はガスが生活空間より上で放散されやすいため、被害を軽減できる安全なエネルギーでもあります。

デメリット

天然ガスは気体なので取り扱いが難しく、生産地から消費地への輸送には大規模なインフラ整備が必要となります。「生産地=消費地」でない限り、パイプラインやLNG加工用の冷却プラント、LNG船などの初期費用がかさむのです。そのため天然ガスの導入によるエネルギー価格の低下を実現させるには長いスパンでの取り組みが必要となり、即効性は見込めないというのが現状です。

海外の動き

技術革新により、在来型の天然ガスに加えて今まで採掘できなかった非在来型の資源(タイトサンドガス、CBM、シェールガス、メタンハイドレード)の開発も進んでいます。例えばアメリカでは近年シェールガスの採掘が盛んに行われています。しかし生産後の運搬手段がなく消費地に満足な供給ができなかったため、シェールガスブームにも関わらずアメリカの天然ガス価格は低迷してしまいました。

将来の展望と課題

在来型天然ガスの豊富な埋蔵量に加え、非在来型ガスの開発に伴い、将来のさらなる供給安定に期待が高まります。しかしアメリカのシェールガス開発の例からも分かるように、これら非在来型ガスの普及には、生産された安価な天然ガスを有利に売却できる土地まで「運べること」が重要です。世界各地で豊富に生産される天然ガスを活用するためには、輸送コストの解決が今後の課題となります。