固定価格買取制度

再生可能エネルギー固定価格買取制度(FIT)とは

再生可能エネルギー(太陽光、風力、水力、地熱、バイオマス)で発電した電力を、電力会社が一定価格で買い取ることを国が約束するという制度です。また、電気利用者が再生可能エネルギー賦課金を負担するという制度でもあります。

背景

2003年に、電力会社に一定量の再生可能エネルギーの活用を義務づけるRPS制度が導入されました。しかし再生可能エネルギーは、コストが高いなどの理由により普及が頭打ちになってしまいました。そのため、電気利用者の力を借りて、再生可能エネルギーの導入を拡大させることを目的としてFITは2012年7月1日に開始されました。

太陽光発電余剰電力買取制度との違い

FITの前身とも言える制度が太陽光発電余剰電力買取制度です。これは住宅用太陽光発電に限り、自宅などで使用する量を越えた電力を電力会社に売ることができる制度です。FITとの違いは売却できる発電方法が太陽光に限られている点です。2009年11月1日に施行されましたが、FITの発足に伴い2012年6月30日に終了しました。

FITの仕組み

再生可能エネルギーで発電された電力は電力会社に送られ、送電者に対価として電力会社から買取費用が支払われます。一方電気利用者は、通常の電気料金に上乗せして再生可能エネルギー賦課金を支払います。これによりコストの高い再生可能エネルギーの導入を支えていきます。

FITのメリット

再生可能エネルギーの発電設備の高い建設コストの回収の見通しがこの制度により立ちやすくなり、再生可能エネルギーの普及が進むことが期待できます。再生可能エネルギーが普及することにより、日本のエネルギー自給率の向上につながり、化石燃料への依存度を低下させることができます。輸入に頼っている化石燃料への依存度が下がることで電気料金の急激な高騰などを抑えることができるようになります。また、地球温暖化への対策や日本を支える新たな産業の育成にもつながることも見逃せないメリットです。

海外での導入事例

日本が導入にあたってモデルにしたドイツがFITの先駆者と言えます。しかしドイツでは、太陽光発電の導入実績が目標を大きく越えてしまいFITの負担額が過剰に膨らんでしまいました。そのため電力の買取価格を下げるなどの対応を取ることになりました。

将来の展望と懸念

再生可能エネルギー自体が抱える問題として気象状況に影響されるなど安定した供給が難しいというのがあります。これにより質の低い電力が送られてしまうことで電気製品に影響を与えてしまう懸念があります。また、再生可能エネルギーの導入が進めば進むほど上昇する電気料金をいかに抑えるのかという課題もあります。ドイツの教訓を生かして適切な導入目標、買取料金の設定をしなくてはなりません。2015年、電力の買取料金の見直しなど制度の改革が進められています。このようにたくさんの課題や大きな負担のある制度ではありますが、日本のエネルギー事情や地球温暖化の問題を考慮しても再生エネルギーは欠かすことのできないものです。これからどう再生エネルギーを育てていけるかが今後の課題です。