バイオエタノール

バイオエタノールとは

サトウキビ、トウモロコシ等のバイオマス(生物由来の有機性資源)を原料に生産されるエタノール(C2H5OH)を指します。 近年、再生可能な自動車燃料として注目を集めています。

製造方法

バイオエタノールは、サトウキビ等のデンプン質植物を発酵することによって作られます。原料の植物を硫酸と酵素で糖化し、酵母によるアルコール発酵から生成されたエタノールは、濃縮・蒸留すると自動車燃料として利用できます。アルコール発酵の副産物の一つに二酸化炭素がありますが、原料として育てられる植物が大気中の二酸化炭素を吸収する効果があるため、バイオエタノールは理論上カーボンニュートラル(排出される二酸化炭素と吸収される二酸化炭素が同じ量であること)な燃料だと言われています。

普及状況

自動車燃料としてのバイオエタノールの利用は、ガソリンとエタノールを混ぜた「エタノール混合ガソリン」が主流です。特に「E10」という10%エタノール、90%ガソリンの自動車燃料は、アメリカ、ブラジル等で広く普及していて、ガソリンスタンドで販売されています。ブラジルではエンタノール混合ガソリンの使用が義務付けられていて、「E100」という100%エタノールの燃料を使用できる自動車も登場してきています。

メリット

バイオエタノールは、有機性資源を使って作られるため、生物分解性があり、比較的環境に優しい新燃料です。また、バイオエタノールの生産には、デンプン質植物が大量に必要です。これらを栽培するのは地方の農家であるため、バイオエタノールの普及は、地方経済の活性化につながるのではないかと期待されています。

デメリット

食糧対エネルギー

近年、トウモロコシ等の穀類の価格が上昇する中、エタノールの原料として栽培されているトウモロコシを食糧に回せば、価格の高騰が抑えられるのではないかいという考えがあります。また、エタノールの製造によって穀物が大量に消費されてしまうと、食糧不足が生じる恐れがあるとされています。

森林伐採

バイオエタノールの原料の作物を栽培するには、広大な土地が必要です。農地の開墾によって森林が伐採されてしまうと、結果的に二酸化炭素の排出量が吸収量を上回り、カーボンニュートラルではなくなってしまいます。

今後の可能性

バイオエタノールの製造過程においての効率向上や環境への負担軽減を目標に、様々な研究が行われています。特に注目を集めているのが、海藻によるバイオエタノールの生成です。藻類は、光合成を行い、自ら糖を発酵してエタノールを作ることができます。生成されたエタノールは、藻自体を傷つけずに抽出できるので、同じ藻をエタノール生産に再利用することができます。藻類によるエタノール生成は、従来のバイオエタノールのデメリットを解消できるかもしれません。