メタンハイドレート

メタンハイドレートとは

水分子にメタンが結合し、シャーベット状になったものです。メタン水化物ともいいます。およそ比重は0.9g/cm3で、堆積物に固着して海底に大量に埋蔵されています。石油や石炭に比べて、燃焼時の二酸化炭素排出量がおよそ半分であるため、地球温暖化対策として有効なエネルギー源であるとされていますが、2015年時点では商業化されていません。

背景

最初の発見は1930年代のことです。シベリアなどの寒地において、天然ガスのパイプライン内に出来るガスハイドレート(メタンハイドレートとほぼ同じ)によって、パイプラインの出入り口が塞がってしまう閉塞事故の原因となっていました。この頃は、事故の原因となる厄介な物質と思われていました。しかし、この事故をきっかけとして、1940年代には実験科学者によって生成温度や圧力実験研究が集中的に行われることになりました。この実験研究が天然の「メタンハイドレート」の発見に繋がりました。

利用出来るようになるまでの流れ

メタンハイドレートのある場所は、永久凍土の地下数百メートルや、海底500メートルよりもさらに深い場所です。まず、メタンハイドレートの探査です。探査には、「地震探査」という手法が用いられます。地震のような振動を人工的に発生させ、その振動を利用して地質探査を行うものです。音波を使う探査なので音波探査とも呼ばれます。音波が海中から海底、地層中へと伝いそれが反射した音波を受振機で記録することにより、地層の状態を間接的に把握し、メタンハイドレートの存在有無を確認します。メタンハイドレートは、深海底の泥の中で安定した状態で埋まっています。それをそのまま何も処理せずに、深海の高圧、低温の環境から取り出してしまえば、失われてしまうので、「減圧法」と呼ばれる手法を用い産出することでようやく利用可能となるわけです。

今後の展開と課題

石油や天然ガスなどの化石燃料の枯渇化や環境破壊の問題もあり、代替エネルギーについて懸念される中で東日本大震災の影響もあり原発に代わるエネルギーが今求められています。太陽光、風、地熱、バイオマスなどのクリーンで再生可能なエネルギーも注目されていますが、大量に安定供給を求めるには難しいです。そこで、既存の火力発電所の隣にメタンハイドレートを溶かし、天然ガスに変える小さな施設を持つだけで、そのまま天然ガスを燃やす火力発電所が出来ると言われています。しかし、問題もあります。それは、採取にかかる手間とコストです。上述の通り、採取するにはかなりの手間がかかることと、メタンハイドレートを生産する上の「減圧法」には、メタンガスとともに多量の水が生成されるため、これを処理するためのコストをどう抑えるかが今後の課題となるでしょう。