スポット市場

スポット市場

電力スポット市場とは、卸電力取引所が開催する最もポピュラーな電力取引市場の一つであり、翌日に発電または販売する電気を前日までに入札し、売買を成立(マッチング)させるものです。

背景

1980年代なかばまでの市場取引は,石油輸出国機構 OPECの政府公式販売価格 GSPに基づくターム取引が市場の大半を占めていましたが,原油価格の低落で市況が不安定化したためスポット取引が増加し,スポット取引価格がGSPに代って国際原油価格を決定づけるようになりました。

先物市場との違い

類似した用語として先物市場、先物取引がありますが、こちらは将来の予め定められた期日に特定の商品(資産物)を現時点で取り決めた価格で売買することを約束する取引です。

具体的な内容説明

日本では、日本卸電力取引所(JEPX)が電力スポット市場を開催しています。以下は、日本卸電力取引所の電力スポット市場について解説します。電力スポット市場は、1コマ30分単位で取引され、1日当たり48コマの商品があります。最低取引単位は1コマ当たり500kWhです。売り手(発電会社や一般電気事業者など)と、買い手(新電力や一般電気事業者など)は、取引日(通常は受渡日の前日※)までに売りたい量と価格、または買いたい量と価格の組合せをネット経由で札入れしておき、日本卸電力取引所が扱う市場は、原則として全国市場(沖縄は除く)であり、発電所や需要の場所はどこでも構わないのです。

効果・影響・結果

取引日の午前中に卸電力取引所は48コマ全ての売り札と買い札を価格と量に応じて積み上げ、需要曲線と供給曲線が交わる均衡点をコンピュータが計算します。そして、1コマにつき1つの約定価格を決定します。すなわち、たとえ約定価格よりも安い売値を入れた売り手も、高い買値を入れた買い手も、全員がこの約定価格で取引をします。約定価格よりも高い売札や安い買札は取引不成立となります。このような価格決定方式を「シングル・プライス・オークション」と呼びます。取引手数料は、約定した量に対して、売り手と買い手それぞれ1kWh当たり0.03円です。

関連した動き

電力スポット市場では、日々の電力需要と供給状況の変化により、時々刻々と市場価格が変動します。通常は、平日昼間の時間帯が最も高く、休日や夜間は安くなります。季節によっても価格は変わり、需要の大きな真夏や真冬は高くなります。東日本大震災以降、原子力発電所の稼働停止による供給力不足から市場価格は高値で推移しており、残暑が厳しかった2012年9月には1kWh当たり40円以上の価格が付きました。

今後の展望・可能性

電力会社のスポット市場をでは、卸電力取引所のスポット市場の取引の動向をみると、震災以降、一般電気事業者による買い入札及び買い約定量ともに増加傾向にあります。特に、昨年11月のエネルギー需給安定行動計画の策定後、増加が顕著になっています。また、電力システム改革専門委員会報告書を踏まえ、平成25年3月から一般電気事業者による売り入札量が増加(前月比約3.4倍)しています。