2部料金制

2部料金制とは

基本料金と電力量料金の2つから電気料金を決定するものです。

変遷

1931年に電気事業法が改正され、電気料金制度が認可制になりました。戦時中は物価安定を目的として国家管理下におかれましたが、戦後は電気事業の再編により再び認可制となりました。1995年には、燃料価格の変動による電気料金への影響を和らげるため、燃料費調整制度が導入されました。

その後、2012年に、再生可能エネルギーの最大限の導入を目的に、電気事業者による再生可能エネルギー電気の調達に関する特別措置法が施行されました。これに基づき、固定価格買取制度が開始されました。

具体的な内容

定額料金である基本料金と、従量料金である電力量料金の2つから電気料金を決定します。

  1. 基本料金…契約電力(kW)、もしくは契約容量(kVA)に比例します。
  2. 電力量料金…(電力量料金単価±燃料費調整単価+再生可能エネルギー発電促進賦課金単価)×使用電力量で算出されます。

基本料金、電力量料金単価は、原価主義の原則、公正報酬の原則、電気の使用者に対する公平の原則、の3原則に基づいて、事業・顧客双方に公平な価格が決定されています。

  1. 総原価(電気を生産し販売するために必要な費用)=電気料金収入となるように、法令で定められたルールに従って計算が行われます。
  2. 総原価=営業費(燃料費、修繕費、購入電力量、減価償却費、人件費など)+事業報酬―控除収益(電気事業に伴う電気料金以外の収入)=電気料金収入

電気料金に係る各種原則

  1. 原価主義の原則…料金は、能率的な経営の下における適正な原価に適正な利潤を加えたものでなければなりません。
  2. 公正報酬の原則…設備投資等の資金調達コストとして、事業の報酬は公正なものでなければなりません。
  3. 電気の使用者に対する公平の原則…電気事業の公益性という特質上、お客さまに対する料金は公平でなければなりません。

燃料費調整単価は、燃料費調整制度に基づいて、燃料価格の変動に応じて算定されています。燃料費調整制度とは、原油、LNG(液化天然ガス)および石炭の価格の変動に応じて、毎月自動的に電気料金を調整する制度です。目的として、①事業者の経営効率化の成果を明確にする、②経済情勢の変化を出来る限り迅速に反映した料金を実現させる、③電気事業者の経営環境の安定を図る、があげられます。

再生可能エネルギー発電促進賦課金単価は全国一律で、毎年度経済産業大臣によって定められます。電気事業者による再生可能エネルギー電気の調達に関する特別措置法(FIT)に基づいて、各事業者は再生可能エネルギーで発電された電気を買い取りますが、その際の費用として電気料金に加算されています。

電気事業者による再生可能エネルギー電気の調達に関する特別措置法…再生可能エネルギーを用いて発電された電気を、一定の期間・価格で電気事業者が買い取ることを義務付けた制度です。これは、コストが高い再生可能エネルギーを導入した発電所建設・発電を支援するためにできたものです。

一般家庭用の電気メニューはこの2部料金制であることが多いです。

その他の基本的な電気料金の種類との比較

同じく電気料金を決定するものとして、定額料金制、最低料金制があります。

  1. 定額料金制…料金が使用電力によらず一定です。需要電力が極めて小規模な場合に適用されることが多いです。公共施設や道路の照明などに向いています。一般家庭用の電気メニューはありません。
  2. 最低料金制…使用電力量×電力量単価で算出されます。ただし、最低使用が定められていて、最低料金が設定されています。2部料金制と同じく、一般家庭用の電気メニューがあります。
  3. 2部料金制…定額料金である基本料金と、従量料金である電力量料金の2つから電気料金を決定します。
需要家からみた料金類型別のメリット・デメリット
定額料金制 最低料金制 2部料金制
メリット 電気を使えば使うほどお得 使用した電力量が料金に反映されるため、電気をあまり使わければ電気代は下がる
デメリット 電気をあまり使わないと割高 電気を使えば使うほど価格も上がる