独占禁止法

独占禁止法とは

独占禁止法とは、公正取引委員会によって運営されている法律で、正式名称は、「私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律」です。

電力市場は、従来、電気事業法による参入規制によって小売供給の地域独占が認められるとともに、独占に伴う弊害については電気事業法上の業務規制(料金規制、供給義務等)によって対応してきました。

しかしながら、内外の経済社会環境の変化に鑑み、平成7年以降、電力の安定供給を効率的に達成し得る公正かつ実効性のあるシステムの構築に向けて、発電部門への競争原理の導入や小売部門への部分自由化の導入などの制度改革が段階的に進められてきました。

他方、電気の小売分野においては、一般電気事業者が各供給区域内において高い市場シェアを有すること、②一般電気事業者は10社しかなく、これら事業者同士の意思の連絡がなくとも、同調的な行動をとる可能性があること、③新規参入者は、営業部門と独占的に保有しているネットワーク部門を併せ持つ競争者としての一般電気事業者の託送に依存して競争せざるを得ないことなどから、制度改革が進展しても、一般電気事業者の適切な対応がなければ、新規参入者は不利な立場に置かれることとなります。

このため、通商産業省(現経済産業省)は公正取引委員会と共同して、平成11年12月、電力市場における公正かつ有効な競争の観点から、独占禁止法上又は電気事業法上問題となる行為等を明らかにした「適正な電力取引についての指針」を作成・公表し、これまで制度改正等に伴い本指針の改定を行ってきました。

指針には、電気の使用者の利益保護の観点などから問題となる行為等が示されており、例えば不当な解約制限を課すなどの行為は、電気事業法上問題となるといったことが示されています。

独占禁止法の目的は、公正な競争を活性化させ、自主的な判断で自由に事業活動できるようにすることです。この目的が達せられれば、事業者は、競争の原理によって、より安くて良い商品・サービスを提供して企業価値を高めようとし、消費者は、ニーズに合った商品・サービスを自由に選択することができ、消費者利益が保証される事になります。

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