太陽熱発電

太陽熱発電とは

太陽熱発電とは太陽熱発電とは、太陽光をレンズや反射鏡などを用いて集め、その熱を使って蒸気を作り出しタービンを回す発電方法です。

背景

太陽熱発電の開発は、太陽光発電と同様オイルショック以降、新エネルギー普及を目的としたサンシャイン計画の一環として進められていました。しかし、日本は日射量が少ないこと、効率の低い設備、などの理由から開発・普及は見送られました。

約30年経った現在、新しい太陽熱発電設備が開発され、効率の良い発電が日射量の少ない日本でもできるようになったため再び注目され始めています。

太陽光発電との違い

太陽光発電は、太陽の光エネルギーを直接電気に変換する発電方式であり、太陽電池のついた太陽光パネル、発電された電気を家庭用に変換するパワーコンディショナーなどの様々な道具を用いて発電されます。

一方、太陽熱発電は、太陽の光ではなく太陽熱エネルギーで水蒸気を発生させタービンを回して発電をします。特別な燃料や道具を必要としないため、太陽光発電よりも低コストで発電することができます。

新電力と太陽熱発電

環境問題や地球温暖化の悪化により、新電力会社は、安価な石油や石炭を使用した火力発電から、太陽熱発電などのクリーンエネルギーへの転換が必要不可欠になっています。

世界の動き

太陽熱発電は、日射量が多いサンベルト地帯(オーストラリア、中東、南アフリカ、南アメリカなど)で活発的に行われています。またこのような地域は、砂漠地帯や水不足の問題を抱えており、太陽熱を利用した海水淡水化施設などの開発が進んでいます。

ちなみに、世界最大の太陽熱発電施設はアメリカのカリフォルニア州モハーベ砂漠にある、イヴァン太陽熱発電所(Ivanpah Solar Electric Generating System)です。その規模は、高さ2.1m、幅3m、そして30万枚以上の鏡が用いられ、コンピュータ管理の元、カリフォルニア州約140万世帯に電力を供給しています。

将来

2050年までには、世界の太陽光発電と太陽熱発電の発電量がほぼ同等になる推測で、砂漠地域などの日射量が多い場所では発電量の半分が、太陽熱発電で賄われる見込みです。

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