クリーン・コール・テクノロジー

クリーン・コール・テクノロジーとは

クリーン・コール・テクノロジーとは、英語ではClean Coal Technologyと表記され、CO2などの石炭を燃やしたときに発生する有害物質をさまざまな方法で取り除き、かつ効率的に使うという地球環境に配慮した技術のことをいいます。

背景

石炭は原油や天然ガスなど他の化石燃料と比べて、埋蔵量が多くとても安価であること、世界各地で手に入れることが出来るなどの主に経済面、供給安定面から幅広く利用されてきました。しかしその普及に伴い、燃焼時のCO2排出や窒素酸化物(NOx)や硫黄酸化物(Sox)などの大気汚染物質、大量に発生する灰の処分などといった石炭のマイナス面が問題になってきました。

そこで1980年代半ばからCCT(環境低負荷型の石炭利用技術)の開発が始められるようになりました。

内容説明

CCTの要素は、石炭の採掘から発電所での燃焼、排ガス処理といった石炭の利用に関するすべての段階に関連しています。

例えば石炭の液化・ガス化技術であれば、固体の石炭から灰分、硫黄分を除去し、液体もしくは気体に転換することで石炭のクリーンな使い方が出来るようにしています。ガスタービンと蒸気タービンを合わせた石炭ガス化複合発電や、燃料電池との複合発電などの開発も進んでいます。

海外との比較

熱効率向上に資する技術に関していうと、日本は、燃焼基礎技術や加圧流動床複合発電技術、鉄鋼などの産業用石炭利用技術において、欧米よりも優位にあるといえます。しかし、石炭ガス化複合発電技術分野においては、実証化技術の積み上げが少なく、欧米に遅れをとっています。

他方、環境改善技術では、日本は、脱硫、脱硝分野で世界トップレベルにあり、欧米を凌駕していますが、CO2分離・回収・固定化技術分野では、実用技術で欧米が強いといえます。また、DME(ジメチルエーテル)製造は、日本がすすんでいますが、石炭ガス化、流体化、合成燃料技術は欧米が優位にあります。石炭間接液化燃料製造では、石油輸入が困難であった歴史的背景から南アフリカ共和国のSASOL社が優位です。

そして石炭直接液化技術は、日米欧ともパイロットプラント試験で基礎技術は確立していますが、経済面でのつり合いがとれないことから、現状ではどこも実用化に至っていません。

今後の展望

第一に、石炭ガス化技術を中心として、より多くの技術開発システムが生まれることが挙げられます。それは、現在実用化に向けて着実に進められている「IGCC(石炭ガス化複合発電)」や「IGFC(石炭ガス化燃料電池複合発電)」などの高効率発電システムへの展開により、メタノールやDME、GTLといった、不純物を含まないクリーンな液体燃料や化学原料への転換の実現を意味しています。

第二に、水素エネルギー社会への対応が挙げられます。現在、水素エネルギーの消費割合は増えてきており、今後は石炭の直接燃焼でCO2を分離・回収し、隔離・固定する技術に大きく依存することになるのではないかという予想も立てられてきています。

そこで、CCTの石炭の直接燃焼によって発生するCO2を分離・回収し、隔離・貯蔵すると同時に、原油やガスを回収する上流側技術と石炭をガス化・改質・転換することによって、石炭の持つ炭素成分を燃料や化学原料とし、直接燃焼によるCO2排出量を少なくする高効率石炭利用技術が期待されています。

課題

CCTの石炭の直接燃焼によって発生するCO2を分離・回収し、隔離・貯蔵すると同時に、原油やガスを回収する上流側技術と石炭をガス化・改質・転換することによって、石炭の持つ炭素成分を燃料や化学原料とし、直接燃焼によるCO2排出量を少なくする高効率石炭利用技術が期待されています。

しかし、このような技術の実現可能性というところがCCTの課題でもあります。