グリーン電力

グリーン電力

グリーン電力とは風力、地熱、太陽光などの自然エネルギーによって発電された電力のことで、発電の際にCO2を発生しないのが特徴です。

背景

1990年代に入り、地球温暖化問題への懸念を背景に、欧米で自然エネルギー設備を建設するための基金を電気料金で集めるグリーンファンドが始まり、電力小売り自由化の進展とともに自然エネルギーからの電気を選択できるグリーンパワープログラムが誕生しました。その後日本でも1999年にNPOや電力会社が開始して以来、近年の自治体のグリーン購入へと動きが広がっています。

FIT電気との違い

FIT電気とは、固定価格買取制度(FIT制度)によって買い取られた、太陽光発電風力発電、バイオマス発電などの再生可能エネルギーを用いて発電された電気のことをいいます。

しかし、FIT電気には環境価値がないとされています。その理由は、FIT電気は再生可能エネルギー源で発電されていますが、電気の需要家すべてが費用の負担をしていることから、その環境価値はすでに電気を需要家のもとに帰属しているので、FIT電気のCO2の排出量は、火力発電なども含めた全国平均と同じとして扱われるのです。つまり、環境に良いとされるグリーン電力とは別物と捉えることができるのです。

日本におけるグリーン電力の活用

グリーン電力は地球温暖化防止や地域活性化など、新エネルギーの普及のみにとどまらない価値があるとされており、欧米などの海外では導入が進み、ドイツではグリーン電力を買い上げる再生可能エネルギー法が制定されています。また、EU各国でも同様の制度や、助成金が制定されています。日本では、グリーン電力の付加価値を評価して取引するプログラムが実施されており、その代表的なものが「グリーン電力証書」です。

これは、グリーン電力が持つ環境付加価値を証書の形にして、個人や企業などが省エネルギーや環境対策の一環として取引できるようにした仕組みであり、市民が資金を出し合って、太陽電池などの自然エネルギー発電設備を建設する取り組みも行われています。

グリーン電力を活用した新たなビジネス

最近では、民間事業者などが購入したグリーン電力証書を活用し、消費者のエネルギー仕様に伴うCO2非出をオフセットするために、企業ポイントなどを活用した決済を行うなどの新たなビジネスが展開されています。

グリーン電力の現状

日本で、2001年に日本自然エネルギー株式会社が発行したグリーン電力証書をソニー株式会社が購入した例が最初です。2001年度に第三者機関「グリーン電力認証機構」から認証されたグリーン電力証書量は116万kWhで、すべて日本自然エネルギー株式会社が発行予定のものでしたが,2005年度までに約5,000万kWhまで増え、その後急速に増大し、2010年度には約2.7億kWhにまで達しました。

同年度の国内の全販売電力量が約9,200億kWhであるので、国内販売電力の0.03%がグリーン電力ということになります。

今後の検討課題

日本風力エネルギー学会によるアンケートによると、グリーン電力証書発行業者が抱えている課題の中で最も多かったものが、「販売先の開拓」です。販売先の開拓は、供給先の確保よりも圧倒的に難しいものとして認識されていて、その最大の要因は、消費者側に購入するメリットがほとんどないことです。

消費者が一般の電力料金に上乗せ料金を払って得られるものは、「環境に配慮した電力を使っているということのみで、環境に対する選好の高さやイメージ向上などを除いて購入インセンティブがあないということが課題となっています。