超伝導電力貯蔵システム

超伝導電力貯蔵システム(SMES)とは

電気抵抗がゼロとなる超伝導状態のリング(超伝導コイル)に電流を流しても抵抗がないため、電流が減衰せず、電気エネルギーを磁気エネルギーとして貯蔵することができます。この原理を利用した電力貯蔵システムのことです。

背景

落雷などにより、瞬時電圧低下(瞬低)が発生すると、電力機器が誤作動、または停止する場合があります。このため、半導体や精密機械の製造ラインなど、極めて高い電力品質を要求される工場では、瞬低による影響を防ぐ装置の開発が求められています。

SMESは、電気エネルギーを電気のまま蓄えるため、蓄えたエネルギーを瞬時に放出することができ、瞬低を補償する装置として最適な装置です。

他との違い(メリット)

常時商用給電方式では、高速検出とともに高速切り換え動作が不可欠となり、切り換えに高度な技術が要求されます。これを実現するため、高速切り換えスイッチには当時機械式スイッチより高速で遮断できるサイリスタスイッチを用いています。しかし、サイリスタスイッチは交流電流がゼロとなる瞬間しかオフとすることができないので、遮断指令を受けた時のサイリスタ電流の位相に依存し、最長の場合、約8 minsecの時間を要します。この場合、瞬低の影響が負荷側に及ぶ場合があり、瞬低補償装置としての機能を果たさなくなります。

そこで、コイルに貯蔵されているエネルギーの一部を利用し、変換器からサイリスタスイッチに流れる系統電流を打ち消す方向に電圧を印加する制御方法を採用しました。これにより瞬低発生時の位相に依存せず、瞬時に系統側からSMES側へ負荷電圧を切り替えることが可能となり、またその切り替え時間は短縮され、約2minsecとなります。

今後の展望

2016年現在、SMESの技術開発は、幅広く行われており、大きなプロジェクトとして推進されています。今後、産業化され、鉄道分野にも広く普及する技術となることが期待されます。