LED

LEDとは

Light Emitting Diodeの略で、電気を流すと発光する半導体素子(ダイオード)を指し、ガリウムなどの半導体といわれる結晶を、時間をかけて作られます。LEDチップ内の化合物により色が変化し、照明やテレビ等で幅広く使われています。また、省エネ照明ともよばれています。

歴史

照明はろうそくから始まり、ガス灯、白熱電球、蛍光灯、LEDへ発達してきました。1962年にニック・ホロニアック氏により赤色発光ダイオードが発明されました。やがて、1993年に赤﨑氏らにより青色発光ダイオードが発明されました。後に、青色発光ダイオードを発明した赤﨑氏、天野氏、中村氏は2014年にノーベル物理学賞を受賞しました。これらをきっかけに、LEDの多色化がめざされており、現在、光の三原色である赤・緑・青が揃い白色化、フルカラー化が可能となりました。現在では光の3原色の他に、橙色、紫色のLEDが使用されています。

白熱電球や蛍光灯との違い

LED電球と同じ照明器具としては蛍光灯や白熱電球があります。白熱電球は調光が可能であり、細い線(フィラメント)に電気が流れることで発光します。よって、調光が可能で目に負担のいらない環境をつくることができます。また、蛍光灯はアルゴンガスと水銀が封入され、電子と原子がぶつかって発光します。これらと比べて、LEDは+電子のP型半導体と-電子のN型半導体がぶつかって発光します。これら3つの照明器具の寿命を比べると以下のようになります。

  時間
白熱電球 2,000
蛍光灯 13,000
LED 40,000

表1 白熱電球、蛍光灯、LEDの寿命

LEDによる政府の動き

LED照明は省エネ効果が期待されているため、「エネルギー基本計画」(2010年6月閣議決定)で「2030年までに100%普及させる」目標が掲げられました。また「日本再生戦略」(2012年7月閣議決定)では「2020年までに公的設備・施設のLED等高効率照明の導入率100%達成」の方針も示されました。

メリットとデメリット

先ほどの表1にもあるように、LEDは寿命が長いことがわかります。こうして消費電力が少ないことから省エネ照明として扱われています。さらに、水銀が使用されておらず、さらにガラス素材でもなく、電子の半導体がぶつかって発光するので、壊れにくい、そして有害な物質を含まないというメリットもあります。

しかし、デメリットは材料として使用されるガリウムが高く、さらに時間をかけて作るため、コスト、値段が高いこと、また光の放射において電子どうしがぶつかって発光することをふまえると、均一でないこと、があげられます。また、省エネ照明として扱われているため、LEDに対してさらに期待がかかります。しかし、LEDの明るさは蛍光灯に比べて実は少ないのです。こうして、明るさを上げるために消費電力をあげようとすると、寿命は逆に短くなってしまう恐れがあります。

海外でのLED

日本でLED照明は一般にも普及していますが、世界的には置き換えが進んでいません。しかし、すでに中国や韓国ではLED照明の公的施設や交通施設など一部地域には導入が進められ、海外ではこれから市場が広がっていくと見られています。LED照明産業としてさらなる市場の拡大が期待される一方でLEDは長寿命であるために、中長期的には市場が停滞すると予測されています。

LEDの実用例

日本では一般的に省エネ照明として、普及されています。例えば、一般家庭で照明器具に使用されます。また企業や公共の施設などにも導入されています。近年では、植物工場が例にあげられ、植物工場内で栽培される作物は、すべてLED照明の下で栽培されます。LED照明を使用することで、色を変えられるため植物の光合成を調節することが可能になります。よって、植物工場で生産された作物は害の少なく安全なもの、さらに季節を調節して生産することができます。

展望・可能性

LED照明は農業の分野でも注目が集まっています。近年、日本の農業では高齢化や放棄地の増加が問題視され、日本の狭い土地でも効率よく野菜生産できる植物工場は日本の農業を支えていくと期待されています。植物工場では赤色、青色、緑色、白色LEDが使われており、野菜の安全・安定供給を目指しています。

また、熱と紫外線、赤外線が放出されにくいことから、美術品や衣服、食品の劣化を抑える照明としての利用も広がりを見せています。そして、2011年には東日本大震災が発生し、さまざまな照明器具をLED照明に変えました。これをきっかけにLEDは以前よりも低価格で販売されるようになった傾向がみえます。こうして、LEDは普及率が増加し、省エネ対策におおいに貢献しているといわれています。

このことを持続させるために、電子の半導体どうしがぶつかることで発光するときの効率を改善すべきだと考えられます。2007年頃の効率が改善されたLEDを使用した松下電器のシミュレーションでは元来のLEDよりも約50%省エネが達成できるという結果が得られており、このことからわかるように素子を改善すればより一層の消費電力の低下が見込まれて省エネになると考えられます。こうして、省エネになれば普及が拡大する可能性が見込まれます。