平成28年度の省エネ大賞、132件の応募から50件選出、気象予測をベースにした需要予測などが受賞

2017年03月06日

一般社団法人エネルギー情報センター

新電力ネット運営事務局

平成28年度の省エネ大賞、132件の応募から50件選出、気象予測をベースにした需要予測などが受賞の写真

省エネルギーセンターは2月、平成28年度の省エネ大賞における表彰式および発表会を東京ビックサイトにて開催しました。28年度は132件の応募があり、省エネ事例部門が25件、製品・ビジネスモデル部門が25件の合計50件が受賞しました。(一般社団法人エネルギー情報センター 新電力ネット運営事務局)

28年度の省エネ大賞が決定、

省エネルギーセンターは、優れた省エネ推進の事例や、省エネ性に優れた製品およびビジネスモデルを、平成23年より「省エネ大賞」として表彰しています。今回6回目となる28年度では132件の応募があり、50件の製品・サービス等が受賞しました(表1)。

省エネ大賞の目的は、省エネルギー意識、活動および取組みの浸透、省エネルギー製品等の普及促進に寄与するです。28年度においては「省エネ事例部門」と「製品・ビジネスモデル部門」の2つの部門において、それぞれ25件ずつ受賞しました。下記にて、それぞれの部門における概要を見ていきます。

部 門 経済産業大臣賞 資源エネルギー庁 中小企業庁 省エネルギー 審査委員会
長官賞 長官賞 センター会長賞 特別賞
省エネ事例 4件 5件以内 1件 14件 1件
製品・ビジネスモデル 4件 5件 2件 13件 1件

表1 省エネ大賞の受賞件数 出典:省エネルギーセンター資料より作成

省エネ事例部門

企業や組織全体あるいは、工場や事務所等での省エネの取組み、現場における小集団活動等により、優れた省エネルギー活動を推進し、成果をあげた事業者が対象となります。ビル・工場等の設備投資を伴う大規模な取組みだけではなく、既設設備の改善、改造やメンテナンス、管理運用など幅広く対応しています。なお、省エネルギー活動にはピーク電力抑制・ピークシフト等の節電への取組みが含まれます。

審査評価項目 :(1)先進性・独創性、(2)省エネルギー性、(3)汎用性・波及性、(4)改善持続性

製品・ビジネスモデル部門

優れた省エネルギー性を有する製品、または省エネルギー波及効果の高いビジネスモデルを開発した事業者が対象となります。業務用・家庭用製品のほか、輸送分野の製品や住宅・ビル等建築分野の製品、及び各製品の要素製品や部材といった幅広い製品が対象となります。なお、省エネルギー性及び省エネルギー波及効果には節電効果も含まれます。

審査評価項目:(1)開発プロセス、(2)先進性・独創性、(3)省エネルギー性、(4)省資源性・リサイクル性(5)市場性・経済性、(6)環境保全性・安全性

この「製品・ビジネスモデル部門」においては受賞概要集が発表されております。そのため、今回のコラムでは「製品・ビジネスモデル部門」において「経済産業大臣賞」を受賞した4製品について、大まかな特徴を見ていきたいと思います。

①世界初、二つの異なる温度の風を同時に吹き分けることで「省エネ性」と「快適性」を両立

受賞者名 テーマ名
パナソニック株式会社 アプライアンス社
エアコンカンパニー エアコン事業部
家庭用ルームエアコン「ダブル温度・同時 吹き分け気流システム搭載」WXシリーズ

世界で初めて、二つの異なる温度の風を同時に吹き分ける「省エネ性」と「快適性」を両立させた家庭用エアコンが受賞しました。可変圧力弁で2つの温度帯を作り出す「ダブル温度熱交換技術」を開発し、気流制御技術や室内機・室外機の新要素技術によって、高い省エネ性能PF7.6(4kW機種)を達成しました。人の温冷感の違いを空調制御に加えるなど、必要な人に必要な温度の気流を届けることにより、省エネ性と快適性を両立させるエアコンが実現しました(図1)。

家庭用ルームエアコン「ダブル温度・同時 吹き分け気流システム搭載」WXシリーズの概要

図1 家庭用ルームエアコン「ダブル温度・同時 吹き分け気流システム搭載」WXシリーズの概要 出典:省エネルギーセンター

②ビル用マルチエアコンの年間エネルギー消費量を15%以上削減

受賞者名 テーマ名
ダイキン工業株式会社 既設ビル用マルチエアコン向け「レトロフィットシステム」

費用と工期の観点から高効率機器への転換が進まないオフィスビル用空調機の部品交換システムが受賞しました。基幹部品であるコンプレッサーと制御基盤を高効率の最新型にレトロフィットすることにより、最適な回転数制御や冷媒蒸発温度制御等が可能となるものです。この交換システムにより、現在普及している5年を経過した標準的なビル用マルチエアコンの年間エネルギー消費量を15%以上削減できます。この省エネ効果を、新品の半分のコストと1日以内の工期で可能とした製品となります。仮に国内で使用されている同社ビル用マルチエアコン(68万台)の30%が本システムに置き換わった場合、CO2排出量原油換算で年46,920kLの省エネとなります(図2)。

既設ビル用マルチエアコン向け 「レトロフィットシステム」の概要

図2 既設ビル用マルチエアコン向け 「レトロフィットシステム」の概要 出典:省エネルギーセンター

③量産車として世界初の最大熱効率40%を達成したエンジン

受賞者名 テーマ名
トヨタ自動車株式会社 新型プリウスのハイブリッド技術

走行全域の更なる燃費向上を図ったハイブリッド技術が受賞しました。量産車として世界初の最大熱効率40%を達成したエンジンをはじめ、総てのハイブリッドユニットを基本構造から見直すことで、小型、軽量、低損失化を実現しています。前モデルからは26%の性能向上にあたる 40.8km/L(JC08基準)の燃費性能を達成しつつ、ドライバーの意図する滑らかな加速性能を実現、環境性能とドライバビリテイの両立を実現しています(図3)。

新型プリウスのハイブリッド技術の概要

図3 新型プリウスのハイブリッド技術の概要 出典:省エネルギーセンター

④気象予測をベースに需要予測を共有する新しいビジネスモデル

受賞者名 テーマ名
一般財団法人 日本気象協会
株式会社Mizkan
相模屋食料株式会社
ネスレ日本株式会社
川崎近海汽船株式会社
需要予測の精度向上・共有化による省エネ物流プロジェクト

メーカ(製)/卸・輸送(配)/小売(販)の各社が気象予測をベースにした需要予測を共有し、省エネ・省資源を達成することを目的とした新しいビジネスモデルが受賞しました。5年分のデータ解析による需要予測モデル構築や、気象予測技術の向上、位置情報付きTwitterによる体感気温予測精度の向上、さらにはAI技術の活用によって、高い精度の需要予測を可能としています。このビジネスモデルを導入した食品製造業の事例では、平成27年度燃料削減効果の合計は原油換算107kL(CO2削減量289.9t)を達成しています。豆腐製造において30%、つゆ製造において20%弱の食品ロスを削減した他、飲料販売会社においてペットボトルコーヒーの適正在庫配置やモーダルシフトによる省エネルギーも実現しました(図4)。

需要予測の精度向上・共有化による 省エネ物流プロジェクト

図4 需要予測の精度向上・共有化による 省エネ物流プロジェクト 出典:省エネルギーセンター

28年度における省エネ大賞の一覧

表彰種別 受賞者名 テーマ名 製品・ビジネスモデル部門 省エネ事例部門
経済産業大臣賞 パナソニック株式会社
アプライアンス社 エアコンカンパニー エアコン事業部
家庭用ルームエアコン「ダブル温度・同時 吹き分け気流システム搭載」WXシリーズ
ダイキン工業株式会社 既設ビル用マルチエアコン向け 「レトロフィットシステム」
トヨタ自動車株式会社 新型プリウスのハイブリッド技術
一般財団法人 日本気象協会
株式会社Mizkan
相模屋食料株式会社
ネスレ日本株式会社
川崎近海汽船株式会社
需要予測の精度向上・共有化による 省エネ物流プロジェクト
株式会社エヌエスオカムラ 塗装前処理方式の変更による エネルギ原単位の大幅削減
東京都市サービス株式会社
株式会社日建設計総合研究所
東京電力エナジーパートナー株式会社
再エネ熱を利用した箱崎DHCにおける 更なる省エネ化・負荷平準化への挑戦
東京ガス株式会社
東京ガスエンジニアリングソリューションズ株式会社
株式会社日建設計
株式会社NTTファシリティーズ
株式会社日本設計
株式会社日建設計総合研究所
港区
社会福祉法人恩賜財団母子愛育会 総合母子保健センター 愛育病院
田町駅東口北地区における スマートエネルギーネットワークによる 省エネまちづくり
富士電機株式会社 山梨製作所 FEMSを活用した電気と熱の最適利用 による省エネの取組み
資源エネルギー庁長官賞 三菱重工サーマルシステムズ株式会社 省エネルギー、大容量、コンパクトターボ 冷凍機「GART/GART-Iシリーズ」
大阪ガス株式会社
アイシン精機株式会社
京セラ株式会社
株式会社ノーリツ
家庭用固体酸化物形燃料電池コージェネ レーションシステム「エネファームtypeS」
YKK AP株式会社 窓のリフォーム「かんたんマドリモ」
富士フイルム株式会社 大容量磁気テープを使った省エネルギー型 「テープアーカイブアプライアンス」
株式会社NTTファシリティーズ 自律型空調省エネシステム「SmartStream」
協立機電工業株式会社 環境配慮型中小規模省エネビルの新設
JFEスチール株式会社
西日本製鉄所
福山地区
加熱炉燃料原単位の「見える化」による 省エネ推進
関西電力株式会社
株式会社関電エネルギーソリューション
株式会社日建設計
株式会社日建設計総合研究所
マネジメント体制の構築による 総合病院の継続的な省エネ推進
室戸海洋深層水株式会社
高知工科大学 地域連携機構 ものづくり先 端技術研究室
四国電力株式会社
一般社団法人日本エレクトロヒートセンター
塩製造工場における廃熱等を活用した 省エネルギーの取り組み
三菱電機株式会社 名古屋製作所 IoT技術を活用した省エネルギー工場の 実現
中小企業庁長官賞 株式会社アースクリーン東北 間接気化式冷却器「メガクール」
金子建築工業株式会社 土塗り壁高断熱木造住宅「ZETH (Zero Energy Timber House)」
株式会社ミヨシ 町工場における全員で取り組む 省エネ活動
省エネルギーセンター会長賞 アイリスオーヤマ株式会社 家庭用高効率LEDシーリングライト 「ECOHiLUX FEⅢシリーズ」
オルガノ株式会社 省エネソリューション 「水熱利用システム」
株式会社コロナ
株式会社デンソー
自然冷媒CO2ヒートポンプ給湯機 「コロナプレミアムエコキュート」
ダイキン工業株式会社 床暖房接続可能な住宅用マルチエアコン
株式会社ティーネットジャパン 高効率LED照明「Neo Venus (ネオ・ビーナス)シリーズ」
東芝キヤリア株式会社
中部電力株式会社
店舗・オフィス用エアコン 「スーパーパワーエコゴールド   P224・P280形」
東芝ライフスタイル株式会社 省エネ冷凍冷蔵庫「マジック大容量シリー ズ」
パナソニックエコシステムズ株式会社 「IAQ制御」搭載 住宅用熱交換気システム
日立ジョンソンコントロールズ空調株式会社 ビル用マルチエアコン「冷暖切換型 フレックスマルチ高効率タイプ」
日立ジョンソンコントロールズ空調株式会社 ルームエアコン 「ステンレス・クリーン 白くまくん」
三菱電機株式会社 店舗・事務所用パッケージエアコン 「Mr.SLIM スリムZRシリーズ P280形」
株式会社LIXIL 充填付加断熱工法(SUPER WALL DUAL) を用いた住宅づくりサポートシステム
リンナイ株式会社 家庭用ハイブリッド給湯・暖房システム 「エコワン」
アイシン精機株式会社 塗装工程における排気リサイクルによる 省エネ取り組み
学校法人 愛知医科大学 大規模病院における見える化の実践 「Plus Ultra 省エネもさらに先へ、 もっと前に」
学校法人 愛知学院 持続的次世代型エコキャンパスの構築
出光興産株式会社 事業所間連携による徹底的な省エネ推進
株式会社エフテック 日本から世界へ!グループ共通EnMS 活用によるエネルギーマネジメントの進化
キヤノンシステムアンドサポート株式会社 テレマティクスシステムの有効活用 による社有車の「省エネ」と「交通安全」 の両立
サントリービール株式会社 利根川ビール工場 ビール工場における全体最適を狙った 省エネ革新活動
清水建設株式会社
東京都市サービス株式会社
京橋1・2丁目における建物と地域の 連携による省エネルギーへの取り組み
ダイキン工業株式会社
社会福祉法人蒼生福祉会 特別養護老人 ホーム 南郷の里
老人福祉施設におけるIoTを活用した 空調省エネ運用改善
大和ハウス工業株式会社
ロイヤルホームセンター株式会社
大型物販店舗におけるZEB化推進
東京ガスエンジニアリングソリューションズ株式会社
日産自動車株式会社
株式会社J-オイルミルズ
横浜市
異業種企業間連携による 分散型エネルギーの面的利用の実現
株式会社東芝
NREG東芝不動産株式会社
野村不動産株式会社
株式会社日建設計
株式会社大林組
次世代省エネ型オフィスモデルの 構築と運用
トヨタ車体株式会社 車体工場におけるマネジメント改革による 省エネ活動
日本電気株式会社 既築ビルのスマートビル化による 電力削減
審査委員会特別賞 JFEアドバンテック株式会社 可視化型漏えい検知器 「エアリークビューアー MK-750」
本田技研工業株式会社 鈴鹿製作所 誘導加熱導入による鋳造金型 コーティングプロセスの革新と省エネ

出典:省エネルギーセンター資料より作成

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一般社団法人エネルギー情報センター

新電力ネット運営事務局

EICは、①エネルギーに関する正しい情報を客観的にわかりやすく広くつたえること②ICTとエネルギーを融合させた新たなビジネスを創造すること、に関わる活動を通じて、安定したエネルギーの供給の一助になることを目的として設立された新電力ネットの運営団体。

企業・団体名 一般社団法人エネルギー情報センター
所在地 東京都新宿区新宿2丁目9−22 多摩川新宿ビル3F
電話番号 03-6411-0859
会社HP http://eic-jp.org/
サービス・メディア等 https://www.facebook.com/eicjp
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