太陽光関連業者の倒産動向、前年の36件から67件に、3年連続で増加傾向

2017年02月13日

一般社団法人エネルギー情報センター

新電力ネット運営事務局

太陽光関連業者の倒産動向、前年の36件から67件に、3年連続で増加傾向の写真

2月8日、帝国データバンクは「太陽光関連業者の倒産動向調査 」を発表しました。2016年は67件が倒産しており、前年の36件から86.1%の増加となりました。FITにおける買取価格が4年連続で引き下げられたことが主な要因と考えられます。(一般社団法人エネルギー情報センター 新電力ネット運営事務局)

太陽光関連業者の倒産、3年連続で増加

近年、日本における太陽光発電の導入量は飛躍的に伸びており、再生可能エネルギーの普及を牽引する電力の一つとなっています。その背景にあるのが2012年の7月から始まった固定価格買い取り制度ですが、ここ4年間は連続で買取価格が下落していることもあり、太陽光関連企業の経営を圧迫しています。

帝国データバンクでは、2006年1月から2016年12月までに倒産した201社(法的整理のみ、負債1000万円以上)について分析を実施しています。太陽光関連業者の倒産動向に関する調査は今回が2回目であり、1回目は2016年6月に結果を発表していました。

太陽光関連業者の倒産件数に関しては、2014年が21件、2015年が36件、2016年が67件と3年連続で増加しています。また、負債総額に関しても2014年が約45億円、2015年が約91億円、2016年が333億円と増加が続いています。特に、2016年は日本ロジテック協同組合が約163億円の負債となっており、全体の負債総額を大きく押し上げました。2008年も負債総額が約204億円と突出して大きいですが、これは中古マンション買取・再販のシーズクリエイト(負債約114億円)の倒産が大きな要因です(図1)。

倒産件数・負債総額の推移

図1 倒産件数・負債総額の推移 出典:帝国データバンク

約10年間で201件の倒産

太陽光関連業者の倒産件数(2006年1月~2016年12月)は、201 件に達しました。内訳は「破産」が190件であり全体の94.5%を占め、次いで「民事再生法」が8件(4.0%)、「特別清算」が3件(1.5%)と続きます(図2)。

倒産態様別の年度別推移

図2 倒産態様別の年度別推移 出典:帝国データバンク

資本金の少ない企業が倒産数の多い結果に

資本金別に倒産数(2006年1月~2016年12月)を見てみますと、「1000万-5000万円未満」が104 件であり、全体の51.7%に達しました。次いで、「100万-1000万円未満」が75件となり、両者の合計は179件のため、資本金5000万円未満の倒産が全体の約9割を占めることとなります。

一方で規模の大きい、「5000万ー1億円未満」は10件(5.0%)、1億円以上は6件(3.0%)のため、合計すると16件(8.0%)となります(図3)。これらから資本金の少ない企業は、資本金が潤沢な企業と比較すると倒産数が多い結果となっています。

資本金別の倒産態様

図3 資本金別の倒産態様 出典:帝国データバンク

倒産数の最も多い都道府県は東京都

倒産数において都道府県別の首位は「東京都」の27件であり、全体の13.4%となりました。次いで、「神奈川県」と「大阪府」が17件(8.5%)、「宮城県」と「愛知県」が15件と続きます(図4)。比較的人口が密集している地域ほど、倒産数も多くなる傾向にあると考えられます。

都道府県別の倒産様態

図4 都道府県別の倒産様態 出典:帝国データバンク

日本ロジテックが負債額トップ

負債額が首位となったのは、2016年4月に倒産した日本ロジテック協同組合(負債額約163億円)となりました(図5)。日本ロジテックは平成21年11月頃より特定規模電気事業者(PPS)に登録し、電気共同購買事業を中心として事業を拡大していました。しかしながら、次第に資金繰りに窮するようになり、各地域電力会社への買掛金の支払いに遅延が発生し、倒産することとなりました。

2位のシーズクリエイトは、中古マンション買取・再販業者で、環境共生型マンションに特化していた企業となります。首都圏及び近郊エリアにて自社ブランド「シーズ」マンションシリーズを展開するほか、不動産流動化事業、不動産流通事業、リフォーム事業に加えて、介護事業にも進出するなど多角化を推進していました。しかし、郊外型マンション分譲事業の物件の供給過多な状況が続き、多くの完成在庫を抱えることとなり倒産に繋がりました。

今回の調査における「太陽光発電関連業者」とは、「太陽光発電システム販売や設置工事、またコンサルティングなど関連事業を主業として手がけるもの」、「本業は別にあり、従業として太陽光関連事業を手がけるもの」、両方を含みます。上記の負債額が大きい企業は、本業は別にあり、既存事業を足掛かりとして太陽光発電に進出していった企業です。これら企業の倒産原因は太陽光事業だけではありませんが、固定価格買い取り制度における単価下落が経営圧迫に追い打ちをかけたと考えられます。来年度からはFITも抜本的に改正されますが、既存事業とのシナジーも勘案した持続的な経営を推進する企業が増えていくことが期待されます。

負債額の上位20社

図5 負債額の上位20社 出典:帝国データバンク

はてなブックマークGoogle+でシェア

執筆者情報

新電力ネット運営事務局の写真

一般社団法人エネルギー情報センター

新電力ネット運営事務局

EICは、①エネルギーに関する正しい情報を客観的にわかりやすく広くつたえること②ICTとエネルギーを融合させた新たなビジネスを創造すること、に関わる活動を通じて、安定したエネルギーの供給の一助になることを目的として設立された新電力ネットの運営団体。

企業・団体名 一般社団法人エネルギー情報センター
所在地 東京都新宿区新宿2丁目9−22 多摩川新宿ビル3F
電話番号 03-6411-0859
会社HP http://eic-jp.org/
サービス・メディア等 https://www.facebook.com/eicjp
https://twitter.com/EICNET

関連する記事はこちら

風力発電で圧縮空気を作り蓄電する、天候による出力変動を制御する技術の写真

一般社団法人エネルギー情報センター

2017年04月20日

新電力ネット運営事務局

風力発電で圧縮空気を作り蓄電する、天候による出力変動を制御する技術

4月20日、NEDOと早稲田大学、エネルギー総合工学研究所は、圧縮空気エネルギー貯蔵システムの実証試験を開始したと発表しました。従来、風力発電は天候による出力変動が課題でしたが、電気が余っているときに圧縮空気とすることで蓄電池のような役割を持たせることができます。

太陽光のZEN POWERが破産、FIT導入後では3番目の規模、九州では過去最高の写真

一般社団法人エネルギー情報センター

2017年04月18日

新電力ネット運営事務局

太陽光のZEN POWERが破産、FIT導入後では3番目の規模、九州では過去最高

帝国データバンクによると、福岡のZEN POWER(資本金3000万円、福岡市博多区博多駅前2-3-7)は、2016年12月22日に福岡地裁へ自己破産を申請、4月5日に同地裁より破産手続き開始決定を受けました。FIT導入後では3番目の規模、九州では過去最高の太陽光関連の倒産となります。

「12」の再エネ普及対策、今後5年間の各府省庁による連携プロジェクトの写真

一般社団法人エネルギー情報センター

2017年04月14日

新電力ネット運営事務局

「12」の再エネ普及対策、今後5年間の各府省庁による連携プロジェクト

4月11日、「再生可能エネルギー・水素等関係府省庁連絡会議」の第1回が開催され、水素・再エネの導入拡大に向けた取り組みが検討されました。このコラムでは、今後5年間程度の再生可能エネルギー導入拡大に向けた、各府省庁の連携プロジェクトについて見ていきます。

改正FITが始まり生まれる新サービス、太陽光発電の新しい認定基準に対応した看板ビジネスの写真

一般社団法人エネルギー情報センター

2017年04月03日

新電力ネット運営事務局

改正FITが始まり生まれる新サービス、太陽光発電の新しい認定基準に対応した看板ビジネス

3月31日、太陽光発電設備のメンテナンス等を展開するテクノケアが、改正FIT法に対応した標識の取り扱いを開始すると発表しました。改正FITにおいては、20kW以上の太陽光発電に標識を掲示することが義務付けられており、今後広まるニーズをくみ取ったサービスとなります。

地熱資源が世界2位のインドネシアで世界最大の地熱発電IPP、出力100MW超えの初号機が運転開始の写真

一般社団法人エネルギー情報センター

2017年03月24日

新電力ネット運営事務局

地熱資源が世界2位のインドネシアで世界最大の地熱発電IPP、出力100MW超えの初号機が運転開始

3月22日、九州電力は「インドネシア・サルーラ地熱IPPプロジェクト」について、初号機の営業運転を開始したと発表しました。単一開発契約としては世界最大規模の地熱発電IPPとなり、30年間にわたってインドネシア国有電力会社に売電するものです。