東京電力、25社の小売電気事業者に対し誤った電気使用量データを送付

2016年06月28日

一般社団法人エネルギー情報センター

新電力ネット運営事務局

東京電力、25社の小売電気事業者に対し誤った電気使用量データを送付の写真

6月24日、東京電力は25社の小売電気事業者に対し、誤った電気使用量データを送付したと発表しました。月間電気使用量では1646件に及ぶ規模となります。この問題により、小売電気事業者が電気料金を過大に請求している可能性が浮上しました。

誤まったデータの送信により、電気料金が過大に請求される可能性

東京電力は小売電気事業者に対して、電気を利用する大勢の電気使用量データを継続的に通知しています。今回、同社が検針期間を誤って処理したことにより、間違っている電気使用量のデータが通知されることとなりました。

同社が誤情報を送信した小売電気事業者は25社となり、月間電気使用量で1646件に及ぶ結果となりました。これにより、小売電気事業者が電気料金を、本来利用している量よりも過大に請求している可能性が浮上しました。

新しく追加した処理方法に誤り

小売全面自由化の契約変更に伴ってスマートメーターを設置した際、託送業務システムの不具合によって正しい検針期間が設定されない場合があります。そのため、当該不具合を解消するために、東京電力は新たな処理機能を追加しましたが、処理手順に一部誤りが発生することとなりました。

原因はスマートメーターへの設置に伴う、検針期間の処理方法

今回の問題は、スマートメーターと従来の電力量計では検針期間の設定が異なり、切り替えの処理を誤った部分にあります。

従来の電力量計の場合は主に検針日制で検針を行っています。検針期間は実際に検針を行う日から翌月の検針日の前日までです。一方で、スマートメーターの場合は主に計量日制で検針を行っています。検針期間は毎月固定の日から翌月固定日の前日までとなります。

そのため、スマートメーターを設置する前までの検針期間は、従来の電力量計の検針日制で設定すべきです。ところが、処理手順の一部誤りによって、スマートメーター取り換え前の検針期間であっても、スマートメーターの計量日制が設定されました。これにより、検針期間が前月の検針期間と重複して(4~7日間)処理されたことが原因となります(図1)。

検針期間の処理誤りの概要

図1 検針期間の処理誤りの概要 出典:東京電力

誤データ送付の判明後、ただちに小売電気事業者に連絡

この続きを読むには会員登録(無料)が必要です。

無料会員になると閲覧することができる情報はこちらです
電力の補助金

補助金情報

再エネや省エネ、蓄電池に関する補助金情報を一覧できます

電力料金プラン

料金プラン(Excel含)

全国各地の料金プラン情報をExcelにてダウンロードできます

電力入札

入札情報

官公庁などが調達・売却する電力の入札情報を一覧できます

電力コラム

電力コラム

電力に関するコラムをすべて閲覧することができます

電力プレスリリース

プレスリリース掲載

電力・エネルギーに関するプレスリリースを掲載できます

電力資格

資格取得の支援

電験3種などの資格取得に関する経済支援制度を設けています

はてなブックマーク

執筆者情報

一般社団法人エネルギー情報センターの写真

一般社団法人エネルギー情報センター

新電力ネット運営事務局

EICは、①エネルギーに関する正しい情報を客観的にわかりやすく広くつたえること②ICTとエネルギーを融合させた新たなビジネスを創造すること、に関わる活動を通じて、安定したエネルギーの供給の一助になることを目的として設立された新電力ネットの運営団体。

企業・団体名 一般社団法人エネルギー情報センター
所在地 東京都新宿区新宿2丁目9−22 多摩川新宿ビル3F
電話番号 03-6411-0859
会社HP http://eic-jp.org/
サービス・メディア等 https://www.facebook.com/eicjp
https://twitter.com/EICNET

関連する記事はこちら

物流業界の脱炭素化と中堅・中小企業のGX事例の写真

一般社団法人エネルギー情報センター

2023年12月29日

新電力ネット運営事務局

物流業界の脱炭素化と中堅・中小企業のGX事例

持続可能な未来に向けて物流業界の脱炭素化は急務です。その中でも大手物流企業のGX事例は注目すべきアプローチを提供しています。今回は、脱炭素化の必要性と大手物流企業が果敢に進めるGX事例に焦点を当て、カーボンニュートラル実現へのヒントを紹介します。今回は中堅・中小企業のGX事例です。

スコープ3の開示義務化が決定、脱炭素企業がとるべき対応とはの写真

一般社団法人エネルギー情報センター

2023年11月02日

新電力ネット運営事務局

スコープ3の開示義務化が決定、脱炭素企業がとるべき対応とは

2023年6月にISSBはスコープ3の開示義務化を確定。これを受けて、日本や海外ではどのような対応を取っていくのか注目されています。最新の動向についてまとめました。

電力業界の最新動向について/新電力の撤退等はピークアウト、3割が値上げへの写真

一般社団法人エネルギー情報センター

2023年09月12日

新電力ネット運営事務局

電力業界の最新動向について/新電力の撤退等はピークアウト、3割が値上げへ

厳しい状況が続いた電力業界ですが、2023年に入り、託送料金引き上げと規制料金改定により、大手電力7社が値上げを実施。政府は電気・ガス価格の急激な上昇を軽減するための措置を実施しています。値上げを実施する新電力企業も3割ほどあり、契約停止、撤退・倒産等もピークアウトしています。

“脱炭素先行地域”に62地域が選定。地域のエネルギーマネジメント推進や課題解決のキーワードになるかの写真

一般社団法人エネルギー情報センター

2023年08月31日

新電力ネット運営事務局

“脱炭素先行地域”に62地域が選定。地域のエネルギーマネジメント推進や課題解決のキーワードになるか

2030年度目標のCO2排出量2013年度比46%減を実現するために、地方から脱炭素化の動きを加速させています。今回は、事例を交えて脱炭素先行地域の取り組みについて紹介をします。

水素エネルギーの可能性に目を向け、各国が巨額投資!?海外の最新動向についての写真

一般社団法人エネルギー情報センター

2023年07月11日

新電力ネット運営事務局

水素エネルギーの可能性に目を向け、各国が巨額投資!?海外の最新動向について

6年ぶりの改訂が注目を集めた「水素基本戦略」。同資料の中でも、各国の水素エネルギーに関する動向がまとめられていました。世界で開発競争が激化してきた水素エネルギーについて最新の海外動向をご紹介します。

 5日間でわかる 系統用蓄電池ビジネス ビジネス屋と技術屋が一緒に考える脱炭素