固定価格買取制度、2017年3月31日までに接続契約で現行の価格や仕組み維持

2016年06月13日

一般社団法人エネルギー情報センター

新電力ネット運営事務局

固定価格買取制度、2017年3月31日までに接続契約で現行の価格や仕組み維持の写真

第190回通常国会にて、固定価格買取制度の根拠となる法律の改正法が5月25日に成立、6月3日に公布されました。現状の固定価格買取制度の価格などを維持するには、2017年3月31日までに接続契約し、速やかに運転開始する必要があります。(一般社団法人エネルギー情報センター 新電力ネット運営事務局)

2017年3月31日までに接続契約で、現行の価格や仕組みを維持

改正FIT法は、再生可能エネルギーの最大限の導入と国民負担の抑制の両立を図り、エネルギーミックスを実現するために見直されたものです。2017年4月1日に施行される見込みとなっております。

現状のFIT法における買取の基本的な仕組みや価格を維持したい場合は、改正FIT法の施行日である2017年3月31日までに電力会社と接続契約を締結し、速やかに運転開始する必要があります。「接続契約」には、工事費負担金の支払いに関する契約を含むため注意が必要です。既に認定を受けている方であっても、平成29年3月31日までに電力会社との接続契約が締結出来ていない場合には、原則として認定が失効されます。

ただし、電力会社との接続契約には時間がかかるために、条件によっては猶予期間が設けられます。例えば、平成28年7月1日以降に認定を受けた場合は、認定から9ヶ月間の猶予が設定されています(図1)。

なお、2017年3月31日までに接続契約を締結したい場合は、2016年6月30日までに接続の申込みするよう各電力会社からHP等で案内がされています。

固定価格買取制度における猶予期間

図1 固定価格買取制度における猶予期間 出典:資源エネルギー庁

認定から運転開始まで、事業用太陽光では3年、住宅用は1年

固定価格買取制度の認定から実際に運転を開始するまでの期限が太陽光発電に設けられます。これまで、買取価格が高いときにFIT認定を受け、太陽光システムが安くなってきたときに運転を開始する事例が目立ったからです。こうなると、太陽光発電の設置者は、FITが想定するIRR以上の利益を享受できる構造となります。

認定から運転開始までの期間は、事業用太陽光では3年、住宅用太陽光で1年となりました。これは、認定~運転開始までの期間の実データや、事業者ヒアリング等を踏まえ、認定取得後の工事や手続等に通常要する時間が考慮された期間となります(図2)。

太陽光の認定から運転開始までの期間の分布

図2 太陽光の認定から運転開始までの期間の分布 出典:資源エネルギー庁

事業用太陽光、期限を過ぎれば毎年買取価格の下落

運開遅延による利益を発生させないよう、3年の期限を過ぎた場合、認定時の価格から買取価格を毎年一定割合(例:年5%)下落させるか、買取期間を短縮されます。系統事由等、個別の事情は考慮されない仕組みとなります。買取価格の引下げ幅・買取期間の短縮度合い等については、今後の調達価格等算定委員会で議論されます。

住宅用は、期限内に運転できない場合は認定を失効

住宅用太陽光に関しては、基本的には系統事由は発生しないため、1年の期限内に運開できない場合は認定が失効されます。

270日ルールについては、自動失効ではなく取り消し事由

土地・設備の確保に関する270日ルールについては、認定の自動失効ではなく、取消し事由となります。また、設備の変更に伴い新しい認定を求め、買取価格を変更させる仕組みは新制度以降は適用しないことも盛り込まれています。

はてなブックマークGoogle+でシェア

執筆者情報

新電力ネット運営事務局の写真

一般社団法人エネルギー情報センター

新電力ネット運営事務局

EICは、①エネルギーに関する正しい情報を客観的にわかりやすく広くつたえること②ICTとエネルギーを融合させた新たなビジネスを創造すること、に関わる活動を通じて、安定したエネルギーの供給の一助になることを目的として設立された新電力ネットの運営団体。

企業・団体名 一般社団法人エネルギー情報センター
所在地 東京都新宿区新宿2丁目9−22 多摩川新宿ビル3F
電話番号 03-6411-0859
会社HP http://eic-jp.org/
サービス・メディア等 https://www.facebook.com/eicjp
https://twitter.com/EICNET

関連する記事はこちら

改正FITに伴う太陽光発電の認定失効、認定された約315万件の内45万件以上が失効見込の写真

一般社団法人エネルギー情報センター

2017年04月26日

新電力ネット運営事務局

改正FITに伴う太陽光発電の認定失効、認定された約315万件の内45万件以上が失効見込

4月21日、経済産業省は改正FIT法に伴う認定失効について、全国で45.6万件が失効する見込みだと発表しました。出力ベースに換算すると2766万kWとなる見込みであり、認定された出力全体の約4分の1にあたる規模となります。

風力発電で圧縮空気を作り蓄電する、天候による出力変動を制御する技術の写真

一般社団法人エネルギー情報センター

2017年04月20日

新電力ネット運営事務局

風力発電で圧縮空気を作り蓄電する、天候による出力変動を制御する技術

4月20日、NEDOと早稲田大学、エネルギー総合工学研究所は、圧縮空気エネルギー貯蔵システムの実証試験を開始したと発表しました。従来、風力発電は天候による出力変動が課題でしたが、電気が余っているときに圧縮空気とすることで蓄電池のような役割を持たせることができます。

太陽光のZEN POWERが破産、FIT導入後では3番目の規模、九州では過去最高の写真

一般社団法人エネルギー情報センター

2017年04月18日

新電力ネット運営事務局

太陽光のZEN POWERが破産、FIT導入後では3番目の規模、九州では過去最高

帝国データバンクによると、福岡のZEN POWER(資本金3000万円、福岡市博多区博多駅前2-3-7)は、2016年12月22日に福岡地裁へ自己破産を申請、4月5日に同地裁より破産手続き開始決定を受けました。FIT導入後では3番目の規模、九州では過去最高の太陽光関連の倒産となります。

「12」の再エネ普及対策、今後5年間の各府省庁による連携プロジェクトの写真

一般社団法人エネルギー情報センター

2017年04月14日

新電力ネット運営事務局

「12」の再エネ普及対策、今後5年間の各府省庁による連携プロジェクト

4月11日、「再生可能エネルギー・水素等関係府省庁連絡会議」の第1回が開催され、水素・再エネの導入拡大に向けた取り組みが検討されました。このコラムでは、今後5年間程度の再生可能エネルギー導入拡大に向けた、各府省庁の連携プロジェクトについて見ていきます。

改正FITが始まり生まれる新サービス、太陽光発電の新しい認定基準に対応した看板ビジネスの写真

一般社団法人エネルギー情報センター

2017年04月03日

新電力ネット運営事務局

改正FITが始まり生まれる新サービス、太陽光発電の新しい認定基準に対応した看板ビジネス

3月31日、太陽光発電設備のメンテナンス等を展開するテクノケアが、改正FIT法に対応した標識の取り扱いを開始すると発表しました。改正FITにおいては、20kW以上の太陽光発電に標識を掲示することが義務付けられており、今後広まるニーズをくみ取ったサービスとなります。