再エネ補助金開始、固定価格買取制度(FIT)を使わない設備で利用可能

2016年05月09日

一般社団法人エネルギー情報センター

新電力ネット運営事務局

再エネ補助金開始、固定価格買取制度(FIT)を使わない設備で利用可能の写真

4月28日、再エネ設備の導入を支援する補助金「再生可能エネルギー事業者支援事業費補助金」の公募が開始しました。固定価格買取制度の設備認定を受けない発電設備などを対象に費用補助を実施する内容となっております。(一般社団法人エネルギー情報センター 新電力ネット運営事務局)

再エネ補助金、要件として「固定価格買取制度の認定を受けない設備」

「再生可能エネルギー事業者支援事業費補助金」は、平成28年度予算における事業であり、地域における再生可能エネルギー利用の拡大を図ることによって、内外の経済的社会的環境に応じた安定的かつ適切なエネルギー需給構造の構築を図ることを目的としています(図1)。

補足情報:補助金情報の一覧

再生可能エネルギーを利用した熱利用設備や発電設備で利用できる補助金であり、発電設備に関しては「固定価格買取制度の認定を受けない」ことが要件となります。

再生可能エネルギー事業者支援事業費補助金の概要

図1 再生可能エネルギー事業者支援事業費補助金の概要 出典:環境共創イニシアチブ

補助対象となる再エネ設備の概要

発電設備に関しては、「太陽光発電、風力発電、バイオマス発電、水力発電、地熱発電、それらの設備に付帯する蓄電池」が補助対象となります。

また、熱利用設備に関しては、「太陽熱利用、温度差エネルギー利用、雪氷熱利用、地中熱利用、バイオマス熱利用、バイオマス燃料製造」が対象となります。非常に幅広い類型の再エネ設備にて利用可能な補助金となっております(図2)。

補助対象設備の概要

図2 補助対象設備の概要 出典:環境共創イニシアチブ

発電設備においては、固定価格買取制度の認定を受けないことが要件

前述のとおり、発電設備については「固定価格買取制度の認定を受けない」ことが要件となっております。近年、特に太陽光発電に関しては固定価格の買取単価が下落傾向にあり、本補助金の利用による経済的メリットが生まれやすくなっています。その他各発電設備における要件の概要については、下記の表をご参考下さい(表1)。

再生可能エネルギー発電設備共通(下記1~6) 再生可能エネルギー発電設備の年間発電量が、ひとつの需要先の年間消費電力量(※)の 範囲内であること
1.太陽光発電 太陽電池出力10kW以上
2.風力発電 発電出力10kW以上(単機出力1kW以上)
3.バイオマス発電 ①バイオマス依存率60%以上
②発電出力 10kW 以上
4.水力発電 発電出力10kW以上1,000kW以下(単機出力1kW以上)
5.地熱発電 特に無し
6.上記1~5の組み合わせ 再生可能エネルギー発電設備の出力合計 10kW以上
7.蓄電池 1~6の再生可能エネルギー発電設備を導入する場合に限る。導入する再生可能エネルギー発電設備の出力の同等以下

表1 各発電設備における要件の概要 出典:環境共創イニシアチブ資料より作成

非常に幅広い再エネによる熱設備が補助対象

熱利用設備に関しては、共通の要件として「熱を利用する区域・用途に占める再生熱の割合(再エネ率)が10%以上、 または再生熱の年間総発熱量200GJ 以上」があります。その他、各設備の類型により必要な要件は異なり、概要については下記の表をご参考下さい(表2)。

熱利用設備共通(下記1~7) 熱を利用する区域・用途に占める再生熱の割合(再エネ率)が10%以上、 または再生熱の年間総発熱量200GJ 以上
1.太陽熱利用 集熱器総面積10㎡ 以上
2.温度差エネルギー利用 熱供給能力0.10GJ/h(24Mcal/h) 以上
3.雪氷熱利用 冷気・冷水の流量を調節する機能を有する雪室・氷室に限る。
4.地中熱利用 ①暖気・冷気、温水・冷水、不凍液の流量を調節する機能を有する設備に限る。
②ヒートポンプを設置する場合、熱供給能力10kW 以上
5.バイオマス熱利用 ①バイオマス依存率 60% 以上
②バイオマスから得られる熱供給能力 0.40GJ/h(0.095Gcal/h) 以上
③バイオマスコージェネレーション(熱電併給)設備の場合 発電出力10kW 以上
6.バイオマス燃料製造(メタン発酵方式) ■バイオマス依存率60% 以上
■ガ ス 製 造 量 :100 N㎥/日以上
■低位発熱量:18.84 MJ/N㎥ (4,500kcal/N㎥)以上
7.バイオマス燃料製造(メタン発酵方式以外) ■バイオマス依存率60% 以上
■製 造 量 :固形化(150kg/日以上)
■製 造 量 :液 化(100kg/日以上)
■製 造 量 :ガ ス 化(450N㎥/日以上)
■低位発熱量:固形化(12.56MJ/kg(3,000kcal/kg)以上)
■低位発熱量:液 化(16.75MJ/kg(4,000kcal/kg)以上)
■低位発熱量:ガ ス 化(4.19MJ/N㎥ (1,000kcal/N㎥)以上)

表2 各熱設備における要件の概要 出典:環境共創イニシアチブ資料より作成

公募期限は4月28日~9月9日:17時必着

「再生可能エネルギー事業者支援事業費補助金」の公募期限は、「平成28年4月28日(木)~平成28年9月9日(金)17:00必着」となります。交付申請書は、公募期間において随時受付を行う予定であり、締切を4回設け、各締切毎に審査及び交付決定を実施します。

  1. 1次締切:5月27日(金)17:00必着
  2. 2次締切:6月30日(木)17:00必着
  3. 3次締切:8月5日(金)17:00必着
  4. 4次締切:9月9日(金)17:00必着

補助率は1/3、先導的な事業の要件を満たすと2/3

補助率については、補助対象経費の合計額の1/3以内となります。ただし、SIIが認める、民間事業者が地方公共団体から指定・認定を受け、かつ先導的な事業の場合、補助対象経費の合計額の2/3以内と割合が増えます。太陽光発電設備の場合に関しては、補助対象経費の合計額の1/3以内、もしくは10万円/kWのいずれか低い金額となります。

補助金の上限金額は、発電設備の場合1億円/年度

補助金の上限金額について、熱利用設備を導入する場合は、3億円/年度となります。一方で、発電設備及び蓄電池を導入する場合は1億円/年度となります。なお、予算額を超える申請があった場合等には、採択された場合でも申請された補助金額が減額される場合があります。

再エネにおける優遇制度との併用について

本補助事業においては、固定価格買取制度のほかにも、エネルギー環境負荷低減推進税制との併用ができません。ただし、再生可能エネルギー発電設備に係る課税標準の特例措置(固定資産税)の適用を受けることは可能となっております。

補助金の採択は、要件審査や採点審査などにより決定

以下にて本補助事業における採択審査の概要を見ていきます。審査においては、SII(一般社団法人環境共創イニシアチブ)が補助金交付申請書に記載された事業内容等について、申請者に対しヒアリングを行い、交付要件等の審査を行った後、外部有識者による審査委員会の結果を踏まえ採択者が決定されます。

まず最初の審査として、要件審査があります。補助事業者及び補助事業の内容が下記の審査項目表に記載する要件を満たしていることや、申請者が事業を行うための事業基盤(直近3期分の財務状況を勘案)を有していることが条件となります(図3)。条件を満たしていた場合は、次の採点審査の段階に進みます。

審査項目表

図3 審査項目表 出典:環境共創イニシアチブ資料より作成

採点審査

要件審査の要件を満たした事業については、経済性、削減効果、波及効果等を総合的に採点審査されます。また、下記①~③の項目については、採点審査の際に考慮されます。

  1. ①離島(離島振興法、沖縄振興特別措置法、奄美群島振興開発特別措置法、小笠原諸島振興開発 特別措置法で規定する地域)や、へき地(過疎地域自立促進特別措置法で規定する地域)により系統連系を図ることが困難な場所において行う申請案件
  2. ②経済産業省が公募する「次世代エネルギーパーク」計画の認定を受けている申請案件
  3. ③複数の再生可能エネルギー種別を導入する申請案件

補助率2/3の場合は追加の審査

補助率1/3以内ではなく、補助率2/3以内で申請された事業は、上記の要件審査と採点審査を行った後、下記①~⑤の項目についても審査が行われます。

  1. ①当該事業が、地方公共団体が策定した再生可能エネルギー計画の推進事業として明確に位置づけられているか
  2. ②当該事業に対して地方公共団体の財政支援があるか(補助金の交付、固定資産税の減免等)
  3. ③当該事業が、地域の再生可能エネルギーの導入促進、地域経済への波及効果等が認められる事業であるか
  4. ④地域の分散型エネルギーの先進事例として、他地域への普及可能性が優れた事業であるか
  5. ⑤地方公共団体と補助事業者が連携した普及啓発事業を計画しているか
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