川内原発は継続稼働、地震の影響12.6ガルで停止基準260ガルを下回る|PPS-NET

川内原発は継続稼働、地震の影響12.6ガルで停止基準260ガルを下回る

2016年04月17日

一般社団法人エネルギー情報センター

新電力ネット運営事務局

川内原発は継続稼働、地震の影響12.6ガルで停止基準260ガルを下回るの写真

14日、熊本県において震度7を観測する地震が発生、その後16日にマグニチュード7.3の地震が発生するなど、大規模な地震が相次いでいます。このコラムでは、原発の状況や地震における注意点などを見ていきたいと思います。(一般社団法人エネルギー情報センター 新電力ネット運営事務局)

川内原発は運転継続、自動停止の規定値260ガルを下回る

九州電力の川内原発1、2号機は、全国で唯一稼働している原子力発電所です。今回の地震においては、自動停止する規定値を下回っているため、現状も稼働を継続しています。

川内原発における運転停止の設定値は、補助建屋1階で水平260ガルなどといった条件があります。補助建屋の最下階と1階で別々の基準が設けられています。

  1. 補助建屋最下階:水平160gal・鉛直80gal
  2. 補助建屋1階:水平260gal

上記のように、例えば補助建屋1階においては260ガルが自動停止の基準ですが、マグニチュード7.3を記録した16日午前1時25分ごろの地震でも12.6ガルでした(表1)。そのため、原発を停止せずに継続稼働している形となっております。

日時 補助建屋最下階 補助建屋1階
14日 21時26分頃
(本震震度:7、川内原発の震度:2)
3.9 gal 5.1 gal
15日 0時3分頃
(余震震度:6強、川内原発の震度:2)
4.2 gal 5.4 gal
16日 1時26〜46分頃
(鹿児島県:最大震度5弱、薩摩川内市:震度4)
8.6 gal 12.6 gal
16日 3時03分頃
(鹿児島県:最大震度1)
検知せず 検知せず
16日 3時55分頃
(鹿児島県:最大震度2、薩摩川内市:震度1)
0.8 gal 検知せず
16日 7時11〜23分頃
(鹿児島県:最大震度2、薩摩川内市:震度1)
検知せず 検知せず
16日 9時48分頃
(鹿児島県:最大震度3、薩摩川内市:震度2)
1.4 gal 1.7 gal
16日 16時2分頃
(鹿児島県:最大震度3、薩摩川内市:震度3)
1.2 gal 2.2 gal

表1 地震による原子力施設への影響について 出典:原子力規制委員会

620ガルでも耐えられる想定で設計

原発では、周辺で起こりうる大地震を想定して「基準地震動」を見積もっています。これをもとに原子力発電所の構造や強度を決めます。

「基準地震動」の設定方法として、2種類があります(図1)。まず、『震源を特定して策定する地震動』があり、540ガルを設定しています。『震源を特定して策定する地震動』は、断層の調査によって震源を特定し、その震源から敷地に大きな影響を与える地震を推定することで決めます。発電所建設当初は372ガルでしたが、新耐震指針での評価内容等を踏まえ変更されました。

次に、『震源を特定して策定する地震動』という基準があります。『震源を特定して策定する地震動』とは、震源が特定できない過去の地震の観測記録を収集して定める方式です。国が示した過去に国内で発生した16地震のうち、北海道留萌支庁南部地震(2004年)を考慮して、620ガルが設定されました。そのため、川内原発では620ガルに耐えられる想定で設計されていることが分かります。

川内原子力発電所の基準地震動

図1 川内原子力発電所の基準地震動 出典:九州電力

これまで使われてきたガルという単位ですが、建物にかかる瞬間的な力を表すもので、マグニチュード等とは異なります(表2)。概要については、下記表をご参考下さい。

地震の大きさの単位 意味
ガル(加速度) ・地震により、建物等にかかる瞬間的な力を表す単位
・大規模な建物等の耐震安全性を評価する際の重要な指標
参考 震度 ・地震による揺れの強さを表す尺度
・震度は、加速度(ガル)の大きさのほかに、地震の揺れの周期や継続時間を考慮して算定される
マグニチュード ・地震そのものの規模(エネルギー)の大きさを表す単位
・一般的に、マグニチュードが大きくても、震源から遠いところでは、加速度(ガル)や震度は小さくなる

表2 地震の大きさの単位について 出典:九州電力

停電の対応は九州電力、新電力は管轄外

ここからは、実際に地震の被害にあった際の対応などについて見ていきたいと思います。まず、停電についてですが、選んだ新電力会社によって復旧状況は異ならず、全く同じです。停電に関わる送電設備などの管理は、九州電力が電力自由化前と変わらず担当しています。復旧作業も、九州電力が担当して順次進めておりますので、時間がたつにつれ停電の範囲は狭まっていきます。万一、周辺は電力が復旧しているにも関わらず、自身の家のみ停電が継続している場合は、契約している新電力会社にご相談ください。

4月17日1時時点で、熊本県内において約74万8千戸が停電しています。最新の停電状況については、九州電力の停電情報をご確認ください。

切れた電線には触らず、九州電力に連絡を

地震の影響で電線が切れる場合がありますが、そういった電線を見かけた場合、危険のため手を触れず、九州電力の営業所までご連絡ください。また、ドライヤーなどの電気製品も火災の原因となりますので、ブレーカーを切るなどの対処をして下さい。その他、電気関連で気を付けることは、下記をご参考下さい。

コンセントからプラグを抜く

地震が起きたら火事の危険があります。そのため、電気製品のスイッチは切ってください。とくにドライヤー、トースターなどの熱器具は、速やかにプラグをコンセントから抜いてください。

水につかった電気製品は利用しない

一度水につかった配線や電気製品は、漏電などの原因となります。危険なので使用しないでください。

転倒した電気製品は利用しない

転倒、落下などの衝撃を受けた電気製品は使用しないでください。火災の恐れがあります。

ブレーカー、ガスの元栓を閉める

避難するときには、電気のブレーカーを切り、ガスの元栓を閉めてください。

エレベーターは使わない

建物から避難するとき、エレベーターには乗らずに階段を利用して下さい。

電気製品が燃えた時は、ブレーカーを切り消火器を利用

電気製品が燃えた場合は、水をかけたりせず、ますプレーカーを切って、その後消火器で火を消してください。消火器には、電気製品の消火に適しているかが表示されています。青色マークのついた消火器をご利用ください。

切れた電線には触らず九州電力に連絡

切れた電線には、絶対に触らないでください。見つけたときは、すぐに九州電力へご連絡ください。

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