大口需要家、省エネ9割以上が実施、照明関連の取り組みが最多

2016年04月12日

一般社団法人エネルギー情報センター

新電力ネット運営事務局

大口需要家、省エネ9割以上が実施、照明関連の取り組みが最多の写真

2月中旬から3月上旬にかけ、大口需要家、小口需要家、家庭それぞれに 対して、節電に関するアンケートが9電力会社管内において実施されました。このコラムでは、大口需要家の節電アンケート内容について概観を見ていきたいと思います。(一般社団法人エネルギー情報センター 新電力ネット運営事務局)

昨年度の冬季における節電状況をアンケート調査、9電力管内にて

今回実施されたアンケートは、昨年(2015年)の冬季における節電状況を調査する内容です。9電力管内の全てを合計すると約17000もの回答を集計した大規模なものとなりました(図1)。このうち、3電力会社(北海道、関西及び九州電力)をピックアップし、大口需要家の節電状況を以下にて見ていきたいと思います。

節電アンケートの集計数

図1 節電アンケートの集計数 出典:電力需給検証小委員会

9割以上が節電を実施

3電力(北海度、関西、九州)の管内において、大口需要家の9割以上は節電している結果となりました(図2)。大多数が節電を意識していることが分かります。

以下にて、この「節電を実施した9割近く」の企業について、その中身を見ていきたいと思います。

2015年度冬季の節電の実施の有無

図2 2015年度冬季の節電の実施の有無 出典:電力需給検証小委員会

節電を実施した一番の目的は、コスト削減

節電の目的は、やはり「コストの削減」が一番の理由となり、7割以上でした。ただし、次点の「節電することが定着している」との回答数が、トップの「コスト削減」に迫っており、6割以上となりました。

また、3割以下となりますが、電力需給の不安を解消するために協力したいといった回答もありました。コスト削減理由の半分に満たない数値ですが、大口の需要家においても、コストだけではなく社会貢献を意識する層も一定数いることが分かりました(図3)。

節電を実施した理由

図3 節電実施の理由 出典:電力需給検証小委員会

節電の影響、7割以上が影響なしとの回答

節電に取り組んだ際の企業活動への影響について、7割以上が「影響なし」と回答する結果となりました。しかし、概ね1割以下ですが、「従業員からのクレーム」や「顧客サービスの低下」を実感している大口需要家もおり、一部影響が出ていることが分かります(図4)。

節電による企業活動への影響

図4 節電による企業活動への影響 出典:電力需給検証小委員会

電気料金の価格変化で、半数以上が節電に影響

電気料金の価格変動が節電に影響したかについて、「とても影響があった」、「やや影響があった」と回答した割合が半数以上となりました。

一方で、「全く影響がなかった」と回答した割合は5%以下です。電気料金が変動すると、大半の企業が多かれ少なかれ節電への取り組みを意識する結果となりました(図5)。

電気料金の価格変動による節電取組への影響

図5 電気料金価格の変化による節電取組への影響 出典:電力需給検証小委員会

節電取り組みの内容、こまめな消灯を8割以上が実施

節電への取り組み方法は、「こまめな消灯」の割合が一番高く、8割以上でした。次いで割合が大きいのは、「照明の間引き」、そして「LEDへの切り替え」となっており、照明関連の取り組みが目立ちます。

空調関連の取り組みも多く、関西電力管内においては、半数以上が「空調温度を低めに設定」や、「不在エリアの空調停止」を実施しています。他には、「製造機器稼働の節電の工夫」や「待機電力を切る」が概ね2割近くとなっており、機器利用の効率化の取り組みも見られます。また、意識改革も取り組まれており、「節電目標や内容を社内に啓発」が4割以上となりました(図6)。

実施した節電の内容

図6 実施した節電の内容 出典:電力需給検証小委員会

2016年の冬季も引き続き節電を継続するとの回答、9割以上

2015年度に引き続き、「2016年度の冬季も節電を継続する」と回答した大口需要家の割合は、9割以上でした。大半の大口需要家が、節電を継続する結果となりました。「節電を継続する」と回答しなかった残りの大口需要家も、「分からない」との回答であり、「節電を継続しない」と断定した割合は0%となっています(図7)。

2016年度冬季の節電継続

図7 2016年度冬季の節電継続について 出典:電力需給検証小委員会

需給ひっ迫が将来も継続した際の影響、生産・営業抑制が半数近く

将来においても電力需給ひっ迫が継続した際に、事業活動において「特に影響はなし」との回答は3割近くとなりました。

一方で、「生産・営業を抑制せざるをえない」と回答した割合が4割近く、「海外移転」を考慮する大口需要家も、1割未満と少ないですが存在しました(図8)。電力需給のひっ迫が今後も継続すると、何らかの形で事業活動に影響を与える可能性は高いと考えられます。

全国的な需給ひっ迫が将来的に継続した場合の影響

図8 全国的な需給ひっ迫が将来的に継続した場合の影響 出典:電力需給検証小委員会

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