アメリカの石炭最大手「Peabody」、価格と需要の減少で破産の危機

2016年03月23日

一般社団法人エネルギー情報センター

新電力ネット運営事務局

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アメリカ最大の石炭鉱山企業である「Peabody Energy Corp」は、16日にアメリカの証券取引委員会に提出した報告書で、現状のままでビジネスを継続することは財務的に課題があり、倒産を求める可能性があることを公表しました。(一般社団法人エネルギー情報センター 新電力ネット運営事務局)

民間としては世界最大の石炭生産企業、連邦破産法11条申請を検討

Peabodyは1883年に設立され、アメリカのセントルイスに本社を置く石炭大手企業です。民間の企業としては世界最大の石炭生産企業となり、2011年度におけるアメリカ全体の石炭生産量約9億9394万トン中、18.5%の実績があります。

石炭に関して実績と歴史のあるPeabodyですが、日本の会社更生法に当たる米連邦破産法第11条の適用申請の恐れあるとしています。すでにアメリカの石炭会社では、2011年時点で業界2位のArch Coalや、3位のAlpha Natural Resourcesが、連邦破産法11条の申請済みです。

アメリカの石炭生産企業の一覧

図1 アメリカの石炭生産企業上位10社(2011年) 出典: 一般財団法人石炭エネルギーセンター

株価も急落、過去1年間で95%の下落

ニューヨーク証券取引所でのPeabodyの株は急落しており、3月16日(水)の時間外取引で、過去6ヶ月間で最大の下げとなる46%安2.17ドルとなりました。これまでも長期にわたり売り一辺倒となっており、過去1年間では95%下落しています(図2)。

年間の株価推移、Peabody

図2 Peabodyの年間株価推移 出典:bloomberg

同社はすでに7100万ドル(約80億円)の保有債務の半期ごとの支払について、 30日間の支払い猶予期間を得ています。対象の金利は、2020年に期限が来る第二優先権付の10億ドル(約1136億円)証券と、2020年9月が期限の6.5%クーポンの無保証債券6億5000万ドル分(約740億円)となります。

今後、30日以内に利払いが実行されなければ、同社の事業継続が困難となり、米連邦破産法第11条の適用申請の恐れあるとしています。

石炭から天然ガスへのシフト、環境規制の強化などで需要減

電力会社が発電用燃料を従来の石炭から天然ガスに展開しているほか、シェールガスの台頭、石炭価格の低迷(図3)、さらに環境規制の強化や、オバマ政権のクリーン・パワー・プラン導入案などで石炭の需要が減少し、経営に直撃していると考えられます。

石炭価格の推移

図3 石炭価格の推移(2012年2月~2016年1月) 出典:International Monetary Fund

日本においては、環境省が2016年2月に石炭火力発電の建設を容認する方向に転じており、発電単価の低い発電所の需要は一定規模では存在しますが、世界的な傾向としては石炭の需要は減少してくものと思われます。

2010年~2015年の場合ですと、アメリカにおいては稼働・または建設が計画された発電量は約15GWであるのに対し、2020年までに撤退する予定の発電量は約80GWと、縮小傾向が見られます。こういった流れは、Peabodyの経営にも強く影響していると考えられます。

日本においては、単価の低い石炭火力の必要性から、G7の他国と比較すると建設計画の容量が大きいことが見て取れます(図4)。電力自由化により、発電単価の低い石炭火力発電所の需要が高まる一方、CO2削減のため業界の取り組みを監視するルール整備などが進んでいくと考えられます。

各国の石炭火力発電建設の動向

図4 2010~2015年度における各国の石炭発電動向 出典:E3G Japan isolated as USA leads the way in G7 move beyond coal

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