イギリスでハトが大気汚染をツイート、欧州で最も高い大気汚染の改善へ

2016年03月18日

一般社団法人エネルギー情報センター

新電力ネット運営事務局

イギリスでハトが大気汚染をツイート、欧州で最も高い大気汚染の改善への写真

3月15日、イギリスのロンドンで3日間にわたり公害監視用のバックパックを身につけた「ハト」10羽が大気汚染を監視しました。ロンドン市内を飛び回り、大気汚染の濃度が高い地点を計測します。(一般社団法人エネルギー情報センター 新電力ネット運営事務局)

レース用のハト10羽、最高速度150km/hで大気汚染を観測

今回のハトが大気汚染を観測するプロジェクトは「ピジョン・エア・パトロール」と名付けれら、ハトが二酸化窒素やオゾンの濃度を測定するセンサーやGPSを装着し、常時汚染状況を把握するものです。フランスのテクノロジー(IoT)企業(Plume Labs)とイギリスのグローバルマーケティングおよび技術機関である「DigitasLBi」が共同で始めました。

ハトは訓練されたレース用であるため、野生のハトよりも高速での飛行が可能です。追い風では150km/hを超える場合もあり、高速で飛行しながら大気汚染データを計測します。

ハトが着用するセンサーは、都市部の大気汚染における2つの主成分である二酸化窒素とオゾンの濃度を測定します。GPSも内蔵しており、重さはわずか25グラム程度で飛行の負担はほとんどないです。

ハトが計測した大気汚染の状況は、ウェブページで閲覧可能です。またTwitterのアカウント、@PigeonAirで様子を見ることもできます。また、ロンドンの住民は、Twitterへの投稿で、自分が知りたい地域の大気汚染測定を依頼できます。

100人の住民と協力し大気汚染を計測する計画も

「インペリアルカレッジロンドン」と「Plume Labs」は、ロンドン在住の100人と協力し大気汚染を調査する計画を共同で企画しています。「E-Plume」という名称で、100人に大気採取パックを装着してもらい、汚染のパターンをモニターすることになります。加えて、多数の住民に同様のセンターを装着してもらい、その結果をスマホで送信してもらう活動への参加を幅広く呼び掛けています。

ロンドンの大気汚染、年間で約9500人が死亡

ロンドン大学がまとめた報告書によると、大気汚染による年間の死者数はロンドン市内だけで約9500人、イギリス全体で約8万人になると想定されています。大気汚染物質の二酸化窒素の濃度は、欧州で最も高く、北京を上回る時期もあるといいます。

世界に目を向けると、世界保健機関(WHO)の推計では、大気汚染による死者は2014年で約700万人となっています。下記図は、世界における空気汚染のリアルタイムマップ(3月18日12:16分時点)です(図1)。赤い部分が特に大気汚染がひどいステータスとなりますが、日本も含め産業の発展している地域の状態が悪いことが分かります。

世界の大気汚染状況

図1 世界の大気汚染の様子 出典:World Air Quality Index project

昨年12月12日のCOP21では、地球温暖化対策の新たな枠組みとなる「パリ協定」が採択されました。日本は「温室効果ガスを2030年度までに2013年度比26%削減」を目標としており、森林整備やフロン対策で4.1%、再生可能エネルギーの導入などエネルギー関連で21.9%削減するというものです。今後、大気汚染が緩和されていくことが期待されます。

世界の大気汚染削減目標

図2 各国の削減目標 出典:全国地球温暖化防止活動推進センター

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