女子力×原子力

発行年月日:2016年12月5日
発行所:エネルギーフォーラム

執筆者:WiN‐Japan

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本書には原子力に関わる職業で活躍する女性たちからのメッセージが散りばめられています。第一章では、原子力への正しい理解に向けて、女性の視点における考察が加えられています。第二章は、原子力の現場で実際に働くことのイメージが付くような内容です。第三章ではWiN‐Japanの活動履歴があり、そして最後に女性たちへのメッセージという章立てとなっています。

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WiN-Japan

WiN(Women in Nuclear)は、原子力や放射線利用などの仕事に携わる女性の国際的なネットワーク。WiN-Globalは世界組織で、WiN-JapanはWiNの日本組織。会員約200名(準会員を含む)を数える。

Q1.本書を書いたきっかけは?

原子力や放射線利用などの仕事に携わり、原子力平和利用の推進の立場から、女性や次世代層への理解活動を行ってきた私たちWiN-Japanにとって、東日本大震災による東京電力・福島第一原子力発電所の事故は大きな衝撃でした。また、社会情勢の変化に伴い、私たちもこれまで通りに活動することが難しくなりました。

一方、近年、女性の科学技術分野への参画を支援する動きが大きく、産業界においても、「女性の力」を求める声が多く聞かれます。私たちの活動の場である原子力分野も、科学技術分野のひとつです。原子力分野に一層の「女性の力」を集めて、真の原子力再生に向けた力になりたいと考え、本書を執筆しました。

Q2.本書で特に伝えたいことは?

2000年の設立以来、WiN-Japanには、多くの女性が参画し、活動してきました。その女性たちが、それぞれの現場でどのような仕事をしているのか、今どのような想いでいるのか、そのリアルな姿から、原子力というものを少しでも身近に感じていただきたいです。さらに、世界にはWiNの仲間がたくさんいますので、彼女らの活躍ぶりからも「私も挑戦してみよう」「私も働いてみたいな」と思っていただけると嬉しい限りです。

福島第一原発事故以降、原子力に関する情報がさまざまな形で発信されました。本書では、女性の視点で「これだけは知っておいてほしいこと」を説明していますので、こちらもぜひ読んでいただきたいです。

Q3.今後の取り組みについて

原子力を取り巻く状況はまだまだ厳しいものがあります。私たちは引き続き、多くの方々、特に女性の不安に真摯に答えていきたいと考えています。また、次世代を担う若者たちには、幅広い情報の発信や共に考える場づくりなどにより、彼女らが自らエネルギーや原子力を考えるための手伝いができればと思います。